ファスティングは体に悪い!?その危険性と正しいやり方を解説
近年、ダイエット効果が高いこともあって「ファスティング」が話題になっています。ファスティングは簡単にいうと断食のことであり、1日における総摂取カロリーを抑えることから高いダイエット効果に期待ができます。
しかし、いきなり初心者が無謀なファスティングをすると、危険性が高まってしまいます。また、ファスティングをした人のなかには、ひどい頭痛が起きたり、眠気が襲ってきたりと、何かしらのデメリットが生じたケースもあるようです。今日は、ファスティングにおける危険性と注意点、正しいやり方などについて紹介します。
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ファスティングは危険性が高い?
ファスティングにはいろいろなやり方があるものの、初心者が行いやすいものとして「16時間の空腹を作る」という方法があります。16時間の空腹時間を空けるということは、一日の食事時間を8時間以内に済ませるということ。つまり、朝食か夕食を抜くことで、16時間の空腹時間を作ることができるでしょう。しかし、それって本当に体に良いことなのでしょうか?
朝食抜きは体に悪いのでは
私たちは小さい頃から「毎日元気に朝ご飯を食べましょう」と教わってきました。しかし、ファスティングにおいてはそれを守らないことになります。
朝食を抜くことは体に悪くないのか?その答えは「デメリットは確かにあるが、肥満気味の人においてはそうとも限らない」です。
そもそも朝食をしっかり食べようといわれてきたのはだいぶ昔からです。戦時中は食料が少なく、朝食を食べないことはその日一日食べるものがないというリスクもありました。
しかし、現在は食べ物が有り余る時代です。人が摂取して良いエネルギーは1日2000キロカロリー程度といわれていますが、実際には1日3000キロカロリー以上摂取している人も多く、肥満によって健康状態が危惧されています。
ファスティングはそのような栄養過多を防ぎ、1食減らすことにより摂取カロリーを減らして健康にする目的があります。
ファスティングはリバウンドのリスクも高い?
ファスティングダイエットは効果が高いものの「リバウンドしてしまった」という声も少なくありません。これはファスティングにより体が一時期飢餓状態になり、そこに多くのカロリーを摂取することでリバウンドをしてしまった状態です。
ファスティングは続けることにより、2~3キロは簡単に減らせることもできます。しかし、その後の回復期間に太りにくい食事を心がけないと、すぐにリバウンドしてしまうのは確かです。後述しますが、リバウンドをしないためにはファスティング後の食事が何より重要になってきます。
頭痛がする危険性とは
ファスティングを初めて行った人は「頭痛」が起きるケースも少なくありません。また、頭痛以外にも、肩こり、眠気、吐き気などが起きることもあります。こうした症状は「好転反応」とも呼ばれ、ファスティングが正しく行われていることをしめしています。
1日3食食べることが当たり前の生活では、半日食事を抜くだけで体がビックリしてしまい、このような症状が出ます。しかし、好転反応は体内にある毒素が血液中にまわるために起きている様子であり、体内の毒素が排出されたあとは体がスッキリします。そのため、始めて間もない頭痛や肩こりは、ファスティングが成功しているといえるでしょう。
しかし、数日経ってもこのような症状が続く場合は注意が必要です。すぐにファスティングを中断し、医師に相談しましょう。
ファスティングは正しくやれば危険性はない
このように、ファスティングにはデメリットもあるものの、正しく行えば危険性はありません。ここからは、危険性を回避するためのファスティングにおける注意点について見ていきましょう。
水分を摂ることでリスク回避
ファスティングには好転反応による頭痛などが生じるといいましたが、水分を取ることで体の不調はある程度防ぐことができます。
またファスティングの期間中は普段よりも水分を摂るように意識しましょう。理想は2リットル、最低でも1リットルは意識して水分を取ります。ちなみに、ファスティング中に取って良い水分の種類は次のようなものです。
- 水(常温が良い)
- 白湯
- 酵素ドリンク
- 少量の豆乳やプロテイン
- ノンカフェインのお茶
1リットル以上の水分は水やお茶がおすすめです。酵素ドリンクやプロテインは、水分というより、食事で取れない栄養を補給するためのものです。正しい分量を守って飲めば、ダイエットの邪魔をすることなく、貧血などのトラブルを予防してくれるでしょう。
豆乳も人間が生きていく上で必要なタンパク質を取れるので、豆乳ジュースを摂ることをおすすめします。
反対に、ファスティング中に飲んではいけないものは次のような飲料です。
- コーヒー、紅茶などカフェインが含まれているもの
- アルコール類
- 甘いジュース
コーヒーや紅茶などは、食事中には飲んで良いものの、ファスティング中にはカフェインが胃を荒らしてしまうためおすすめできません。またダイエットを目的としている場合は食べて良い8時間以内であっても、甘い飲料は避けるようにしましょう。
ファスティング前後には正しい食事が重要
ファスティングは断食ですから、いきなり行うと身体がさまざまな拒否反応を起こしてしまいます。そうならないようにするには、ファスティングを行う前日の食事(準備期間)と、ファスティング後の食事(回復期間)を胃に優しいものにしなくてはなりません。
特に注意したいのが、ファスティング後の回復期における食事です。16時間の半日ファスティングであっても、その後に「お腹が空いたからめちゃくちゃ食べるぞ!」といったことをしてしまうと意味がなくなってしまいます。
ファスティング後の体は飢餓スイッチが入っているため、ハイカロリーな食事を摂取するとどんどん体にため込み、リバウンドを起こしてしまいます。せっかくファスティングで1キロ痩せても、その後の回復期にドカ食いしてしまえば、あっという間に1キロ2キロと体重は増え、リバウンドを起こしてしまうのです。
ファスティングをやってはいけない人もいる
ファスティングは美容やダイエット、健康効果が高いものですが、やってはいけない人もいます。次に当てはまる人はファスティングを控えましょう。
- 15歳未満の子供
- 70歳以上の人
- 通院、服薬中の人
- 妊娠中、授乳中
- BMIが18以下の痩せている人
- 貧血がひどい、体力が低下している人
基本的なファスティングは3食のうち1食を抜かすため、育ち盛りの子供はNGです。また、栄養を体内に吸収しにくくなる70歳以上の高齢者も控えましょう。通院中の人が行うには医師に相談のうえ行ってください。妊娠中や貧血気味の人、体力がなくて痩せているといった人も、断食であるファスティングは向いていません。
危険性が高いファスティングとは
ファスティングは世間的に流行っていることもあり、さまざまな方法があります。しかし、自分の体調に合わせて慎重に行わないと、ファスティングが原因で心身に不調をきたす危険性もあります。ここからは、危険性の高いファスティングについて見ていきましょう。
いきなり数日の断食をやってしまう
ファスティングに関する情報のなかには「とにかく丸一日食べない」「3日間水しか飲まない」といった極端なものもあります。人間は水さえあれば2週間以上生きれるといわれていますが、それはサバイバルに遭遇したときの話です。普段きちんと3食食べている人が、急に1日以上の断食を行ったらどうなるでしょうか。ひどい空腹に襲われるのはもちろん、頭痛や眠気、だるさや腹痛といった激しい好転反応も襲ってくるでしょう。
初めてファスティングを行う人は、1日1食だけ抜かす「半日ファスティング」からスタートするのが大切です。まずは週に1度で良いので1食抜きの生活を送り、徐々に空腹に慣れる生活をスタートさせていきましょう。
準備・回復期間をおろそかにする
ファスティングで失敗してしまう多くの理由が、準備・回復期間の食事を適当にとってしまうことです。先述した通り、ファスティングの時間が終わった後にドカ食いしてしまっては、体重は減るどころか増えてしまうリスクもあります。
また、ファスティングで機能を休んだ胃腸のなかは空っぽであり、善玉菌が非常に少ない状態です。善玉菌を増やすには食物繊維を中心とした胃に優しいものが必要ですが、そこに肉類やスナック菓子といった食事が運ばれてくると、腸内環境は悪玉菌が優勢になってしまいます。悪玉菌が優勢となった腸内では腹痛や便秘を引き起こし、新陳代謝が乱れ肌が荒れるといったトラブルも起きます。そうならないためには、準備・回復期間には胃腸に優しい消化の良いものを食べ、腸内環境を整える必要があります。
ファスティングは正しく行い危険性を回避しよう
ファスティングは美容・健康効果が高く、肥満気味の人が行うと、高血圧や生活習慣病を予防する効果もあります。しかし、急に「3日間水だけにする」といったストイックなやり方をしてしまうと、逆に体への危険性が高まってしまいます。
安全にファスティングを行うには、まずは朝食か夕食を抜くという半日ファスティングがおすすめです。自分の体調に耳を傾け、安全なファスティングからゆっくりと始めていきましょう。
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