~肉の代替食材(車麩とひよこ豆)~
ヴィーガンの食事のタンパク源として使用される“お肉もどき”の食品には、大豆製品や麩、動物食材を使用しない加工品や豆類などがあります。今回は、麩と豆類の栄養や調理についてお話ししましょう。
お肉の代替品:麩
麩は、小麦粉を原料にして作られています。小麦粉に水を加えて練り、水でデンプンを洗い流すと、粘りのある小麦タンパク質のグルテンが残ります。グルテンにもち米を加え、加工したものが“麩”です。蒸したものや茹でたものが生麩、成形して焼いたものが焼き麩、煮た後に乾燥させたものが乾燥麩、油で揚げた揚げ麩など、90種類以上もの形態があります。
ヴィーガンの食事によく使用されるのは、焼き麩に分類される車麩です。棒に巻いて、何度も重ねて焼いている為、クルクルと車輪のような形をしています。
車麩の栄養
沖縄県でたいへん親しまれている食材であり、一見、栄養価は低そうな印象があります。しかし、低カロリーでありながら、タンパク質やミネラルが豊富であり、癖のない味の為、食べ続けても飽きにくく、いろいろな料理との相性も良い優秀食材です。脂質はほとんど含まれておらず、高タンパクで、一個(約10g)当たり40kcal未満と低カロリー。ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛などのミネラルも含まれており、消化も良いのが特徴です。
麩に含まれるタンパク質には、肌のハリの消失を防ぎ、肌荒れを改善する効果もあります。
車麩を食べよう
車麩は、乾燥状態である為、水で一晩漬けて戻します。60~80℃のお湯で戻すと、早く戻す事ができます。たっぷりと水分を含んで戻ったら、手の平で軽く押して水分を絞ります。これで下ごしらえは完了です。お好みの大きさに切って調理しましょう。
ボリューム満点!車麩カツ
車麩 4枚
(調味料) 醤油大さじ1・みりん大さじ1・おろし生姜1片・おろしにんにく1片・昆布だし200ml
(衣) 小麦粉・水・植物性パン粉
① バットに調味料を入れてよく混ぜる。
② ①に乾燥したままの車麩を入れ、裏返しながら柔らかくなるまで浸す。
③ 車麩が柔らかくなったら軽く絞り、食べやすい大きさに切る。
④ 水溶き小麦粉→パン粉の順で衣を付け、油で揚げる。
【ポイント】
揚げ物にする場合は、一晩水に漬けず、柔らかくなる程度に戻した方が、食感も残り美味しく仕上がります♪
車麩のフライや唐揚げは、ヴィーガン料理の定番です。煮物や照り焼きにしても美味しいですね。
お肉の代替品:豆類
そしてもう一点、ヴィーガンの食事のタンパク源として欠かせないのが、豆類です。食用の豆類は、70~80種類もあり、主要な栄養成分の違いにより大きく二つに分けられています。
豆類の栄養
小豆やインゲン豆、えんどう、そら豆、ひよこ豆などは、炭水化物を多く含むグループに分けられています。これらの豆は炭水化物を50%以上含み、タンパク質は20%程度、脂質は2%程度と、ダイエットにも適した低脂肪・高タンパク質の食品です。
また、大豆や落花生は、約20%が脂質でできており、大豆油の原料などにも使われる脂質の多いグループに分類されています。タンパク質も30%以上と非常に多く含む為、畑の肉とも呼ばれ、栄養価の高い食品です。
ヴィーガンの食事でよく利用されるひよこ豆は、小鳥のくちばしの様な形をしている事から、そう呼ばれています。
タンパク質が豊富であり、ビタミンB群や食物繊維、ミネラルを多く含む栄養バランスの良い食品です。日本では、気候に合わない為、ほとんど栽培されず、メキシコやアメリカから輸入されています。肉の様に十分食べ応えのあるひよこ豆のつくねは、メインディッシュに最適です。
豆類を食べよう
ひよこ豆の照り焼きつくね
ひよこ豆(水煮)200g
木綿豆腐 1/2丁
大葉 6枚
ゴマ油 大さじ1
七味唐辛子 適量
(薬味)葉ネギ大さじ1 生姜汁小さじ2 小麦粉大さじ2 炒りゴマ大さじ2
(調味料)酒大さじ1 醤油大さじ1 みりん大さじ1.5
①ボールにひよこ豆を入れ、すりこぎで軽くつぶす。
②①に水を絞った豆腐と(薬味)を入れて混ぜる。
③丸く成形し、大葉を巻いて、ゴマ油を熱したフライパンできつね色が付くまで両面焼く。
④調味料で煮からめて、七味唐辛子をかけてできあがり。
ひよこ豆は、スープやカレー、サラダや焼き菓子の材料としても使えます。
まとめ
栄養価からも魅力的なお肉に変わる食材はこの他にも多数存在します。調理法次第ではまるでお肉のような食感、味も楽しめる”お肉もどき”食材。ぜひこれらの食材をあなたに合った調理法で食事に取り入れてみて下さい。