代替品

億万長者のカギは人工肉!?大豆ミートの次に来るのは培養肉の時代

人口増加や環境破壊の問題を受け、先進国を中心に人工肉の開発が進められています。人工肉を代表するものといえば、大豆をベースにして作る「大豆ミート」が主流です。しかし今後注目されている人工肉は「培養肉」と呼ばれ、肉の細胞から新たに肉を生み出すという画期的なものです。今日はこの新たな人工肉について詳しく見ていきましょう。

世界中で人工肉が話題になっている

「細切れの肉とミンチの肉」の写真

日本人にとってお肉と言えば、牛肉、豚肉、鶏肉が主流です。しかし動物を殺して肉を食べる時代は、近いうちに終わるかもしれません。なぜ動物の肉が食べられなくなるのか、それは次のような理由があるからです。

  • 地球上の人口が増えすぎて肉が足りなくなる
  • 肉の需要が高まり今の10倍ほどの値段になる可能性も
  • 環境破壊により動物を育てるための土地が地球上には残されていない

日本の場合、欧米に比べると肉の消費量は少ないため、しばらくは国産肉を安定して食べられるという意見もあります。しかし地球環境を考えると世界において畜肉を増やすことは難しく、先進国を中心に人工肉に切り替える動きが高まっています。日本もその流れに乗り、将来は畜肉よりも人工肉への切り替えが進むと言われているのです。

人工肉クリエーターで大金持ち!?

人工肉はこれからの世界経済を動かす大きなポイントとして注目されています。これまで大金持ちになれる職業といえば以下のような職業でした。

かつてお金持ちになれるといわれていた職業

医者、弁護士、スポーツ選手、芸能人、会社経営者 など

しかし環境問題が悪化し、消費する世界からリサイクルできる世界へと流れは変わってきています。今後はいかに環境にやさしいものを生み出せるかどうか注目が集まっていることから、これからの時代に大金持ちになれる職業は、次のようなものが挙げられているのです。

今後お金持ちになれるといわれている職業

投資家、ドローン開発者、人工肉クリエーター、ロボットアドバイザー など

医者や弁護士といったお金持ち定番の職業も、今後はAIが変わって対応していくと予想されています。そのためドローンやロボット関係の職業はニーズが高まり、収入の高い職業になると予想されています。なかでも食糧危機を救うとされる人工肉クリエーターは注目され、多くの投資家が動き出しているのです。

人工肉クリエーターは今後の世界で必要不可欠

あと50年もすると世界の人口は約100億人にのぼり、食肉需要が急増します。そこで間違いなく脚光を浴びると言われる職業が人工肉クリエイターです。

人工肉クリエーターは、これまでも大豆からフェイクミートを作ることに成功しています。しかしさらに注目されているのが「既存の肉の細胞から新たな肉を生み出す」といった新たな技術開発です。

それらの技術開発を行っている人工肉クリエーターは世界的に見ても、2021年における先行企業はたった5社程度しかありません。いかに安全かつ低コストで人工肉を開発できるか、それが成功した企業は間違いなく世界中から注目され、メガベンチャーになるといわれています。

もっと詳しく 人工肉はどうやって作られるのか

フラスコを持っている人

ここからは世界が注目する人工肉の作り方について見ていきましょう。人工肉といってもそれは大きく分けて2つの種類があり、植物肉」と「培養肉」があります。

「植物肉」はすでにお馴染みの大豆ミート

袋の中の大豆

「植物肉」は大豆や小麦などを主原料にし、肉に似せた食品をいいます。すでに大豆ミートとして出回っており、大豆の植物性タンパク質を肉状に加工した食品です。

植物肉、いわゆる大豆ミートの特徴は次のようになります。

  • 技術開発はだいぶ進んでおり、コストをかけることなく生産できる
  • 代替肉とも呼ばれ、欧米をはじめ馴染みやすくなっている
  • その一方、本物の肉とはやはり味が違うといった意見も

植物肉はすでに実用化され、ビヨンド・ミートといったハンバーガーに使われています。ただ植物肉は肉に比べると肥料などは不要なものの、やはり大豆を育てるためには土地が必要であり、結果的に環境を破壊するという意見も。今後は環境破壊につながることのない、土地が不要な人工肉に注目が集まっています。

「培養肉」は細胞を培養すると肉の塊が育つ

研究室の科学者

その一方、培養肉は本物の肉の細胞を培養して、肉そのものを育てるといった驚きの食品です。どうやって培養肉が作られてるのか、大学研究の実験を例に紹介します。

  1. 鶏の細胞を特殊なシャーレに入れて冷凍する
  2. 徐々に解凍しつつ細胞を培養する
  3. およそ2カ月で1gの細胞から100gの肉の塊ができる

これはドラえもんの漫画にも登場した人工肉と同じ作り方だそうです。驚くべき工程で作られている培養肉ですが、これが大量生産できるようになったら世界で起きている食糧危機も回避できるかもしれません。

動物を殺さないことから「クリーンミート」とも呼ばれる

培養肉は牛や豚の肉そのものですが、動物を殺傷することはありません。そのため「クリーンミート」とも呼ばれ、動物を保護する観点からも注目されています。

こうしたことから、本来なら肉を食べることができないヴィーガンも、培養肉なら食べても良いのでは?という議論もあります。そもそもヴィーガンが肉や魚を食べないのは、動物を殺すことに抵抗があり、人間が動物や魚を食べることは地球環境を破壊することにつながるから、という考えがあるからです。

その点培養肉なら、家畜を殺さずに家畜由来の肉を生産できます。畜肉を育てるために森林を伐採するということもないため、ヴィーガンやベジタリンの人も口にできるという意見は多いのです。

人工肉 これからの課題

いくつかの実験用メガネ

人工肉のなかでも研究開発が進められている培養肉。植物肉とは違って大豆を生産する必要もないことから、より環境に良い代替肉として注目されています。しかしまだまだ次のような課題があります。

  • 培養液の値段が高い
  • 安全性は証明されていない
  • ヴィーガンは食べられるのか、倫理観の問題もある
  • 開発するには設備投資が欠かせない

培養肉は特殊な培養液につけて細胞を増やしますが、その培養液の開発コストは高く莫大な費用が掛かります。2013年にはオランダの研究者が培養肉ハンバーガーを成功させたのですが、その際につけられたハンバーガーの値段は3500万円だったそうです。徐々にコストは下がりつつあるものの、商品の実用化にはまだ時間が掛かるでしょう。

また、培養肉を開発するには、細胞増殖装置や無菌室、インキュベーター装置などが必要です。いわゆる半導体の無菌室ルームに似た設備が必要であり、一般的な食品工場で培養肉を生産するのはまだまだ先になりそうです。

まとめ

Engineered plant-based burger patties from food company Beyond Meat are visible on shelves among other meat alternatives at a grocery store in San...

大豆ミートをはじめとした人工肉は次々に開発されており、豆腐ハンバーグといった食品は私たちにも馴染みが深いです。また実用化には遠いとされている培養肉も、近年日本企業が培養肉で作ったフォアグラを発表し、大きな話題になっています。

いま当たり前のようにスーパーで売られている精肉も、何十年後には人工肉に切り替わっているかもしれません。安心な人工肉の開発に期待しつつ、より高度な技術で作られた代替肉が商品化されるのを待ちましょう。

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