ファスティングで塩分が不足するのは本当か その原因と対策も紹介
これからの季節に向け、本格的なダイエットに挑戦したいとお考えの方も多いのではないでしょうか。
短期間で効果が出やすいダイエットとしてファスティングがあります。ファスティングは一定期間食事を抜いて胃腸を休ませることにより、デトックス効果が働いて体重減少に期待ができます。
しかし食事を取れないということは、必要なミネラルを体に取ることができないということです。それに伴い、ファスティングは塩分不足が起きるのではないか?と懸念されています。今日はファスティングで本当に塩分不足になるのか、また、その具体的な対策について紹介します。
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ファスティングで塩分不足は起きるのか?
結論から言うと、短期間でのファスティングで塩分不足が起こることはほぼありません。特に最近行われているファスティングは「16時間断食」といったようなもので、朝食だけ抜くなどといったやり方が流行っています。
この場合、朝食に塩分を摂ることはできませんが、昼食と夕食で多くの場合しっかりと塩分を摂ることができます。そのため初心者向けのファスティングで塩分不足に落ちることはまずないでしょう。
しかし丸1日食事を取らない本格的なファスティングや、真夏に行うファスティングに関しては、やや注意が必要です。
数日におけるファスティング、真夏のファスティングは要注意
ファスティングで塩分不足が懸念されるのは、1日~3日間かけて行う本格的なファスティングや、真夏に行うファスティングです。
ファスティングには色々な種類がありますが、数日におけるファスティングの場合、塩分が不足する可能性があります。とくに、汗をかきやすい夏の時期のファスティングでは、ミネラル分が汗と一緒に流れるため、知らない間に塩分不足を引き起こすリスクがあるのです。
塩分が不足するとどうなる?
日本人の食生活はむしろ塩分過多と言われているため、普段の生活で塩分が不足することはめったにありません。
しかし紹介している通り、本格的なファスティングや、夏に行うファスティングでは、知らない間に塩分不足を引き起こす可能性があります。下記のような症状が現れたら、塩分が足りていないサインと考え、対策をしましょう。
低血圧や疲労感が起きる
塩分が不足すると、まず私たちの身体は疲労感に襲われます。塩分はナトリウムとも呼ばれ、生命活動をサポートするのに必要なミネラルです。しかしそのミネラルが汗などで奪われたうえ補給されないと、私たちの体は生命活動を維持するため、脳は活動ペースを緩やかにする指示を出します。
脳からの指令で活動ペースが落とされると、頭がボーっとし、疲労感が増します。また血液循環が悪くなることから、血圧も低くなるでしょう。このような症状は軽い熱中症の時と似ています。暑い時期に倦怠感が増して頭がぼーっとする時は、ミネラルが不足しているサインと捉えましょう。
頭痛や食欲不振、意識障害も
そして、塩分不足が加速すると体にはさらに深刻な症状が現れます。
体内に必要なミネラルが失われている状態だと、体は生命を維持するために体内の水分や血液、消化液の量を減らそうとします。これにより血液の循環がさらに悪化し、倦怠感や疲労感が増した後は食欲不振や、嘔吐などが起こります。またナトリウム不足は筋力の低下も引き起こし、足がつりやすくなります。最悪の場合、意識障害を引き起こし、塩分が足りないことで命の危険性にもつながります。
ファスティングで塩分不足にならないためには
ファスティングによる塩分不足が原因で、命の危険性が高まるというケースは滅多にありません。しかし、丸一日以上固形物を食べないうえ、高温多湿、それに加え運動などをしたなどの条件が整うと、塩分不足に陥る可能性は十分考えられます。
塩分不足を引き起こさないためには、ファスティング中でも体内のナトリウムを補給することが大切です。ここからは塩分不足にならないためのポイントを見ていきましょう。
水分+ミネラルを取る
塩分不足に陥らないためには、水+塩分を取りましょう。具体的には
- 少量の塩をなめる
- 梅干を食べる
といった方法もおススメです。
ファスティングでは、断食中でもこまめに水分を摂ることが重要です。朝昼晩固形物を取らない1日ファスティングの場合も、こまめに2リットル程度の水を飲むことが大切です。
ただ、水分だけ摂取すると体内のナトリウムが薄まり、余計塩分不足に陥ります。そのため、水だけで過ごす場合は、必ず少量の塩や梅干などを口に入れ、ミネラルを補給しましょう。
ちなみに、市販の酵素ジュースの多くもミネラルが配合されています。ただし、汗をたくさんかいて倦怠感がするときは、梅干などで塩分を補給するのがおススメです。
みそ汁を飲む
ファスティングの強い味方としてみそ汁が注目されています。味噌汁にはご存知のように塩分が含まれているため、ファスティング中の空腹対策に飲むと、ミネラルをしっかり補給することができます。
ただし、ファスティング中に飲む場合は具無しのみそ汁にしましょう。おススメは
「昆布だし700mlに味噌大さじ2」の割合です。
味噌に含まれている酵素は消化器官にやさしく作用し、デトックス効果を高める作用もあります。みそ汁なら塩分補給にもなり、ファスティングの効果を高める効果にも期待できます。
スープも効果的
ファスティングの塩分補給や空腹対策には、スープもおすすめです。ただし市販のスープではなく、なるべく野菜を使った手作りスープを飲みましょう。
味噌汁と同じように、スープにも塩分が含まれます。 程よい塩分が排出されたミネラル分を補い、脱水症状を予防します。ファスティングの空腹対策ではスープの場合も、具無しスープを飲みましょう。固形物は食べず、スープだけをコップ1杯程度飲みます。
どの味付けでも良いですが、基本的に油は加えないほうが良いです。また、コーンポタージュなどの糖質が多いスープも控えましょう。詳しい作り方などは以下のサイトを参考にしてください。
塩分の過剰摂取にも注意を
ファスティングでは塩分不足が懸念される一方で、塩分の摂りすぎにも注意が必要です。固形物を食べない時期に塩分をたくさん取ると、様々なリスクも起こります。
ファスティング中に塩分を摂りすぎるとどうなる?
ファスティング中に濃いスープやみそ汁を飲み過ぎたり、塩を摂り過ぎたり、そのような行動をすると塩分過多になって次のような症状があらわれます。
- 体がむくむ
- のどが異常に乾く
- 脳内血管の膨張を引き起こして頭痛がするケースも
塩分をとり続けると血圧が上昇し、脳出血や心筋梗塞によって突然死してしまうリスクが高まります。塩分過多はサイレントキラーとも呼ばれ、高血圧が続くことで体に多大なリスクを背負うことになります。
基本的に、塩分不足が懸念されるのは、1日以上のハードなファスティングや、真夏の汗をかく時期のファスティングだけです。それ以外で塩分が不足することは滅多にありません。毎日の食生活ではむしろ塩分を控えるように意識しましょう。
塩分ファスティングというのもある!
日本人の食生活は世界的に見ても塩分の摂取量が多いといわれています。塩分過多は様々な病気を引き起こし、体のむくみにも繋がります。
近年これを改善する方法として「塩分ファスティング」という食事方法に注目が集まっています。これは丸三日間、塩分を取らない食生活を実践するものです。
例えば、和食メニューにはみそ汁や漬物、焼き魚などがありますが、これにはすべて塩分が含まれています。塩分ファスティングではこれらのメニューを控え、塩なしのスープ、フルーツ、ナッツなどを食べます。
三日間にわたって塩分を控えると、多くの人は正常な味覚を取り戻し、むくみが改善されるそうです。普段から味の濃い食事を好んだり、血圧が気になったりする方は、塩分ファスティングに挑戦してみてはいかがでしょうか。
まとめ
16時間ファスティングのように、1日のうち1食だけ抜くといった軽いファスティングで塩分不足が起こることはまずありません。
しかし真夏のファスティングや、丸1日かけて行うファスティングの場合はミネラル不足が懸念されるので、意識して塩分をとった方が良いでしょう。ただしその場合も塩をたくさんとるのではなく、みそ汁や具無しスープを飲むだけで対策ができます。
また、日常においてはむしろ塩分の摂りすぎが問題です。日本人の多くは塩分を摂りすぎなので、ファスティングと同時に調味料の使い方もぜひ見直していきましょう。
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