マクロビオティック

マクロビオティックが肉NGでもタンパク質不足にならない理由とは

マクロビオティックは、玄米や穀類、野菜、海藻、大豆製品を食べ、動物性食品、特に肉は基本的に食べません。

やってみたいけれど、それではタンパク質不足になるのでは?なぜ肉を食べてはいけないの?と疑問をお持ちの方に、マクロビオティックの考え方をご紹介します。

マクロビオティックでは、肉は食べません

マクロビオティックについて少しでも聞いたことがある方は、「玄米」「菜食」というイメージがあると思います。

実際、マクロビオティックでは動物性食品を使った料理はほぼありません。肉や乳製品は月に1~2回程度であれば良いが、それ以上は身体に害を及ぼしやすいと考えられているのです。

また、魚の場合、小魚や白身魚であればもう少し頻度が高くても大丈夫ですが、それでも出来るだけ避けるに越したことはない、とされています。

もちろん、これには個人差があり、動物性食品をたくさん食べても健康な人もいます。例えば、大食いのギャル曽根さんの肉の摂取量はすごいものですが、特異体質のため全く太らないばかりでなく健康体です。また、動物性食品を大食する人にありがちな脂ぎった肌ではなく、透き通るような美肌です。

ですから、動物性食品を絶対摂るな、ということではなく、健康を保つために必要であれば、あるいは食べても体調に全く問題がなければ摂取しても良いのです。

マクロビオティックで肉を避ける5つの理由

絶対に食べるなということではない、と前述しましたが、基本は肉食NGです。

なぜ肉類が良くないとされているのでしょうか。理由は5つあります。

理由1:生活習慣病の原因になりやすい

最近の日本人に多い生活習慣病とは、糖尿病、脂質異常症(高脂血症)、高血圧、脳卒中、心臓病、ガンなどを指します。このうち、脂質異常症や高血圧、脳卒中などの大きな原因となっているのが、高脂肪食です。

牛肉の場合、肩ロース100gで脂質が37.4g、バラ肉は50g、豚ロースは19.2g、鶏肉も平均14gほどあります。

女性の場合、30~50gが1日の必要脂質量ですが、20歳以上の平均摂取量は56.1g(平成30年国民健康・栄養調査による)となっており、明らかに摂り過ぎです。また、男性の場合は必要摂取量が50~75gなのに対し平均は66.7gですが、実際にはメタボと診断される人は少なくありません。

脂質が多い食事を摂っていると、血液に中性脂肪やコレステロールが増え、血管壁に張り付いて狭くしてしまったり、壁を傷つけたりしてしまいます。その結果、生活習慣病を引き起こしやすくなるのです。

理由2:腸内環境が悪くなりやすい

腸内環境を良くするには、食物繊維や善玉菌のエサとなるものが必要です。しかし、肉には食物繊維が含まれていませんし、善玉菌のエサは食物繊維や発酵食品です。それらを一切含まない肉類は悪玉菌のエサとなるため、腸内環境が悪くなりやすいのです。

腸内環境が悪くなると、肥満や生活習慣病の原因となるばかりでなく、精神を安定させる脳内物質が作られにくくなるため、イライラや落ち込みなどが増えてしまいます。

理由3:日本人は肉食体質ではない

日本人は、古来狩りで得た鹿や猪、熊、ウサギ、タヌキなどをたまに食べることはあっても、常食にはしていませんでした。肉食が一般的にされるようになったのは明治時代からで、100年ほどの歴史しかありません。

そのため、日本人の胃腸は肉類を消化吸収する機能が充分でない、と考えられています。

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理由4:安全性の低い肉が出回っている

近年、安全性に問題があると考えられる肉が出回っています。例えば米国産の場合、成長ホルモンや抗生物質、放射線などが使用されていることが多く、発がん性が疑われています。

また、「国産」と書かれた肉は、日本で生まれ育ったものではありません。海外で生まれ、途中まで育てられた場合でも、最終的に食肉になるまでに日本で飼育された期間が最も長ければ、国産と表示できるのです。本当に日本国内で飼育から加工までされたものは「国内産」と書かれています。

理由5:飢餓人口を増やし環境を悪化させる

これはヴィーガンと同じ考え方ですが、動物の飼料にするより人間が食べることで、飢餓人口はかなり減るはずです。

食肉1キロを作るために必要とされる穀物は、鶏が約2キロ、豚が約7キロ、牛が約10~30キロといわれています。しかも、これらの動物には骨や内臓、血液など通常食べられない部分も含まれていますから、非常に効率が悪い食料なのです。

さらに、動物のエサのために農薬や肥料、水を使い、放牧地を作るために森林を伐採し、環境を破壊させます。また、排せつ物の処理のために化学物質を使うことで有害物質が発生し大気が汚染されたり、住民に健康被害を及ぼしたりする危険性もあるのです。

マクロビオティックでタンパク質を摂るには

肉を食べないとタンパク質不足になる、とマクロビオティックやヴィーガンを否定する人がいます。実際にはどうなのでしょうか。

タンパク質は穀類、大豆製品、野菜から充分摂れる

タンパク質=動物性食品というイメージがありますが、実際には穀類にも大豆にも、野菜にも含まれています。

玄米ご飯1膳160で約4.5g、納豆1パックが約8.3g、ほうれん草ともやし、厚揚げの煮物で約15g、豆乳コップ1杯で約7.2gと、これだけで35gも摂取できるのです。ですから、マクロビオティックをしたからといってタンパク質不足になることはありません。

タンパク質は穀類と大豆製品を中心に

タンパク質はアミノ酸からできていて、体内で作ることができない必須アミノ酸が8種類(トリプトファン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、バリン、ロイシン、イソロイシン)あります。これら8種類がバランス良く含まれていると、タンパク質が体内で有効に使われます。

必須アミノ酸のバランスを数値にしたものをアミノ酸スコアといい、100が最も栄養価が高くなります。肉や魚、卵などと同じく、大豆もアミノ酸スコアが100なので、できるだけ大豆製品を摂取することで、良質なタンパク質を摂ることができます。

また、玄米や小麦など穀類には必須アミノ酸のうちリジンが少ないのですが、大豆に多く含まれているため、一緒に食べることで玄米のタンパク質も非常に良質になるのです。

まとめ

私たちはこれまで、肉を食べることで健康を維持できると考えてきました。しかし、実際には肉食によって身体を壊し、食べるのを止めたことで健康を取り戻した人々がたくさんいます。

生活習慣病やメタボと診断された方や、いつも体調が良くないと感じている方は、一度肉食を控えてみることをおすすめします。

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