ヴィーガンには必須アミノ酸が足りない?その真実と対策方法とは

プロテインなどに大きく表示されていることが多い「必須アミノ酸」。なんとなく身体に良いイメージがあり、必須アミノ酸があった方が健康には良さそうですよね。

しかしこの必須アミノ酸、ヴィーガンを実践している人には足りないとも言われています。 名前は聞いたことがあるけれども、その実態はよくわからない必須アミノ酸。今日はこの必須アミノ酸の役割や、ヴィーガンの食事では本当に足りないのかなどを、確認してみましょう。

必須アミノ酸とは

アスリート, インドア, おとこ, クロスフィットシューズの無料の写真素材

必須アミノ酸とは、簡単にいうと食事から摂取しなくてはいけないアミノ酸のことです。そもそもアミノ酸は、動物や人間が生きていく上で必要な栄養素です。その多くは体内で合成されるのですが、アミノ酸の中には食事から摂取しないと取れないものもあります。

また人は生きていく上でタンパク質を取りますが、食べ物から取ったたんぱく質がそのまま体に吸収されるわけではありません。食事によって得たタンパク質は、アミノ酸によって分解吸収され、体内で必要な種類のタンパク質に再合成されます。良質な筋肉を得るためにもアミノ酸は私たちにとって欠かせないのです。 

食物から摂取すべきアミノ酸は9種類

アミノ酸には体内で必要な量を合成できるアミノ酸と、体内では合成できないアミノ酸があります。この合成できないアミノ酸は全部で9種類あり、これらは食事から摂取しなくてはなりません。

9種類の必須アミノ酸
  • バリン
  • イソロイシン
  • ロイシン
  • メチオニン
  • リジン(リシン)
  • フェニルアラニン
  • トリプトファン
  • スレオニン(トレオニン)
  • ヒスチジン

これら9種類のアミノ酸は食べ物から摂る必要があります。これらの必須アミノ酸の多くはマグロなどの赤身魚や、生卵、レバーなどに含まれています。 

必須アミノ酸は動物性食品が中心?

必須アミノ酸の多くは動物性食品に含まれています。例えばそのうちの1つである「トリプトファン」を見ると、カツオや牛や豚のレバー、卵、チーズなどの乳製品に多く含まれています。これらの食材を見ると、見事にヴィーガンには食べられないものばかりです。

また、トリプトファンだけではなく、他の必須アミノ酸も動物性食品から多く摂ることができます。そうしたことを踏まえると、植物性食品しか食べることのできないヴィーガンは、必須アミノ酸が足りないのでは?と懸念されるのです。

穀物や豆類で必須アミノ酸は十分に摂れる

アジア, オオムギ, コーン, ご飯の無料の写真素材

結論からいうと、ヴィーガンでも必須アミノ酸は十分摂ることができます。そもそも植物性食品には玄米や大豆を中心にタンパク質が多く含まれています。穀類や豆類といった植物性食品を組み合わせれば、必要なアミノ酸の種類と量を十分供給できるのです。

例えばお米にも必須アミノ酸があり、メチオニンが多く含まれています。ただ、米だけだと偏った必須アミノ酸になるため、納豆といったリジンの豊富な食材と一緒に取れば、バランスよく必須アミノ酸を摂ることができるでしょう。

このような「ライス&ビーン」の食事は世界的にも多く、例えばスパニッシュの伝統料理であるチリビーンズライスには、バランスの良い必須アミノ酸が含まれいています。納豆&ごはんのような古来の伝統料理は、必然的にアミノ酸をバランスよく摂っていることが多いです。

特に大豆は必須アミノ酸が豊富

植物性食品における必須アミノ酸は、その食材によってメチオニンが豊富だったり、ロイシンの栄養だけが特化したりしています。 しかし大豆だけは例外であり、大豆のタンパク質には全ての必須アミノ酸が含まれています。

大豆は動物性タンパク質と栄養学的には同等ともいわれています。大豆が「畑の肉」と呼ばれるのは、こうした由縁からです。また必須アミノ酸を中心に、鉄分やカリウム、葉酸なども非常に豊富です。タンパク質の栄養を数値化する「アミノ酸スコア」では、肉や魚のスコアが高いですが、大豆の栄養点数も100点に近いスコアを出しています。

1回の食事ですべてアミノ酸を摂る必要はない

筋トレなどがブームになったこともあり、必須アミノ酸は取れば取るほど良いというイメージもあるかもしれません。しかし、必須アミノ酸は1回の食事で全ての量を取る必要はありません。理由としては、通常であればアミノ酸は体内に貯蔵されることが多く、1食で摂れたアミノ酸は体に貯蔵されるため、毎食アミノ酸を摂る必要はないのです。

そのため現在では、アミノ酸を意識してたくさんのタンパク質を取り、それにより高タンパク質になってしまう方が問題になっています。動物性食品の場合、ヴィーガン食と違って、例えば卵を1個食べただけでない9種類のアミノ酸を摂ることができます。しかし、卵に加えて肉や魚などを摂ってしまうと、それはアミノ酸を過剰に摂ることになり、カロリー過多といった問題も引き起こします。

動物性と植物性の必須アミノ酸を比べると

エピキュア, おいしい, お肉, グレービーの無料の写真素材

動物性食品と植物性食品の必須アミノ酸を比べると、次のようにまとめることができます。

必須アミノ酸の特徴

動物性食品 植物性(ヴィーガンの食事)
メリット 肉や魚、卵など、1種類の食材だけで必要なアミノ酸を摂ることができる 大豆は単体で必須アミノ酸を摂ることができる

低カロリーなためタンパク質過剰摂取を心配する必要がない

デメリット 高タンパク質による弊害が起きることも

カロリー過多に注意しなくてはならない

大豆以外は食事を組み合わせて必須アミノ酸を摂る必要がある

手軽に必須アミノ酸を取りたい場合は、動物性タンパク質の方が便利と言えます。しかし1種類の食材だけで必要なアミノ酸を摂ることができる動物性食品の場合、タンパク質の摂りすぎに注意しなくてはなりません。

過剰にタンパク質を取ってしまうとインスリンが効きにくくなり、シュウ酸塩などが尿に増加し、腎臓に負担がかかります。また、必須アミノ酸を摂るために多くの動物性食品を食べることは摂取カロリーの増加にもつながり、肥満やコレステロール値の増加にもつながってしまうでしょう。体重増加に悩む人は、動物性食品から必須アミノ酸をとるのではなく、ヴィーガンを実践したほうが健康的といえます。

まとめ

ライス, 納豆, 食品, 納豆, 納豆, 納豆, 納豆, 納豆

このようにヴィーガンであっても、きちんとヴィーガンメニューを食べていれば、必須アミノ酸が足りなくなるということはありません。むしろ植物性食品のほうが食事の組み合わせでバランスよくアミノ酸を摂ることができ、余計な脂質をとることもないので、肥満になることもありません。

また日本古来の食材には必須アミノ酸が多く含まれており、特に「米&納豆」といった組み合わせは最高です。穀物や豆類をしっかり食べるヴィーガンは、必須アミノ酸不足になることはないので安心して実践していきましょう。

関連記事