ヴィーガンは母乳を与えられない?ヴィーガンママの育児における注意点

世界的に実践者が増えているヴィーガンですが、それに伴い「母親がヴィーガンの場合子育てにおける影響はないのか」といったことが議論されます。

特に妊娠中の女性がヴィーガンを行うのは危険だとか、ヴィーガンを実践している女性は赤ちゃんの母乳をあげられない、といった声は多いです。果たしてそれは本当なのでしょうか。

今日は、ヴィーガンと母乳の関係を中心に、ヴィーガンにおける妊娠や授乳中の注意点などについて見ていきましょう。

そもそも妊娠中のヴィーガンは良いのか

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ヴィーガンは動物性由来の食べ物をとることができません。植物性由来の栄養しか摂ることができないため、妊娠を考えている女性はヴィーガンを実践すべきではない、という声もあります。

しかし、ヴィーガンを実践中に妊娠する女性は少なくありません。それどころか、不妊に悩んでいた人が食生活をヴィーガンに変えることにより、妊娠することができた、という声は多いのです。

ヴィーガンを実践している人に肥満は少ないです。肉を中心とした食生活で脂質を摂りすぎてしまうと、肥満になり、糖代謝異常や脂質代謝異常を来たして、無排卵になってしまう女性がいます。ヴィーガンの場合はそのようなリスクが少ないため、妊娠しやすい体になるともいわれています。

妊婦のヴィーガン これまで大きな問題は報告されていない

そして、妊婦がヴィーガンを実践することは絶対に悪いとはいえません。これは医師のなかでも意見が分かれていますが、ヴィーガン食を毎日しっかり食べることで赤ちゃんにも栄養を行きわたらせることができ、妊娠には問題ないとされています。

一例を見てみると、戦前の日本人は肉や卵をあまり食べていません。動物性たんぱく質は圧倒的に少なかった時代ですが、子どもの平均出産人数はおよそ4人であり、今より多産であることが分かります。日本よりヴィーガン人口が多い欧米でも、母親がヴィーガンを実践していたことで妊娠に悪影響を与えたといった報告は、ほとんど例がないのです。

しかし栄養不足になる懸念も

ただ、ヴィーガン実践者でこれから妊娠を希望する女性は、念のため医師に相談しましょう。

妊婦や授乳中の女性の場合、ビタミンやミネラルは一般的な女性よりも多く取る必要があります。そして妊婦が貧血がひどかったり高血圧だったりする場合、出産に影響が出る可能性もあります。いずれにせよヴィーガンを実践しても問題は起こりにくいのですが、妊娠前に体の状態をチェックしておくのはおすすめです。

普段から自分の貧血の数値や血圧などを把握し、妊娠にそなえたうえでヴィーガンを実践して良いのか、医師に相談してみましょう。

母乳を与えるのなら 以下の栄養をしっかり摂ろう

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ヴィーガンの女性が妊娠しても問題ないように、ヴィーガンの女性が赤ちゃんに母乳を与えることも問題ありません。母親がヴィーガンで動物性食品を摂らない場合、与える母乳にも動物性のものは含まれていません。そのため、赤ちゃんには乳製品などの脂肪が原因で起こる、乳児性湿疹が出にくい、といった良い報告もあります。

ただ、一般的な食事をしている人に比べ、ヴィーガンの女性の母乳は足りない栄養もあると言われています。ここからはその足りない栄養素や対策方法について見ていきましょう。

ヴィーガンの母乳にはDHAが不足している

ヴィーガンの人は基本的に魚も食べることはありません。一般的に魚にはドコサヘキサエン酸酸といわれる、いわゆる DHA が含まれています。DHA は赤ちゃんの脳や神経の発達に対し、重要な役割を持つ必須脂肪酸です。

授乳中に母乳に含まれる DHA 濃度が低いと、赤ちゃんも脳の発達に役立つ DHA を摂ることができません。魚を一切食べない徹底したヴィーガンであるのなら、DHAの供給源として魚介サプリメントを摂ることが大切です。ヴィーガン専用の魚介サプリなら、魚といった動物由来の成分は含まれておらず、深海魚が持つメチル水銀汚染の心配もないでしょう。

 ビタミンB12

ビタミンB12は、動物性食品が持つ栄養素です。基本的に植物由来性の食品にビタミンB12が含まれていることはないため、ヴィーガンはどこでビタミンB12を摂るべきかよく議論されます。

ただ、ビタミンCやBといった一般的なビタミンとは違い、ビタミンB12の必要な量は極めて少ないです。ビタミンB12が欠乏したからといって、大きな病気になる事例はほとんど報告されていません。

しかし、授乳中の女性は、ただですら体内の血液が授乳によって奪われています。ビタミンB12だけでなく、多くのビタミンやミネラルも欠乏気味になるので、やはりサプリメントなどを利用して栄養を補給することがおすすめです。また、ヴィーガンでも利用できる大麦などでできた朝食用シリアルもありますが、そのなかにはビタミンB12が添加されていることもあります。ビタミンの欠乏が心配な場合は、こうした食品を日常に取り入れても良いでしょう。

ビタミンD・カルシウム

ビタミンDは卵の黄身や肝油などに多く含まれています。それらの動物性食品をとることができないヴィーガンは、ビタミンDも不足がちになるといわれています。

ビタミンDはカルシウムを体に吸収する大事な役割があります。出産を経験したあとの女性は骨がもろくなっているため、カルシウムとともにビタミンDも摂取する必要があります。

こちらもサプリメントをうまく活用するがおススメですが、ビタミンDやカルシウムは植物由来のものでも摂ることができます。

植物性で摂ることができるカルシウムとビタミンD

カルシウム 大豆 小松菜 ひじき 切り干し大根 チンゲン菜 角寒天 など
ビタミンD きくらげ シイタケ(天日干しにする)

例えば小松菜とキクラゲの煮浸しなどは、カルシウムとビタミンDを効率よくとることができます。また、味噌汁に干しシイタケを入れ、納豆ご飯を一緒に食べるのも良いでしょう。こうして双方の栄養が含まれているものをうまく取り入れることで、ヴィーガンでもビタミンDとカルシウムはうまく摂ることができます。

鉄分

ヴィーガンに限らず、授乳中の女性は貧血に陥りやすいです。その理由は大きく2つあります。

  • 出産時の出血で貧血になる
  • 授乳によって鉄分が奪われる

特に緊急帝王切開などで出産した人は、一度にたくさん出血することも多く、慢性的な貧血になりやすいです。そのうえ授乳が続くと鉄分はさらに減ってしまい、たちくらみなどを起こしやすいでしょう。

ヴィーガンの食事でも、小松菜やほうれん草、納豆などの大豆食品に非ヘム鉄が多く含まれいています。しかし、非ヘム鉄はレバーや赤み魚に含まれているヘム鉄とは違い、そのまま食べても体内に上手く吸収することができません。

そこで大切なのが、オレンジやキウイ、カキといったビタミンCを含む果物も一緒に摂ることです。非ヘム鉄はビタミンCと一緒に摂ることで吸収率がアップします。

また、鉄分は短期間で摂取できるものではないため、すでに貧血の症状がある場合は無理をせずサプリメントなどを活用しましょう。 

赤ちゃんの状態によっては粉ミルクをあげよう

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母親がビーガンでも母乳には影響はありません。赤ちゃんに母乳を与えることによりすくすくと育つでしょう。

しかし母乳の出が悪かったり、赤ちゃんの体重の増えが悪かったりすれば、ミルクを追加する必要があります。

ビーガンの場合、大豆でできたミルクや白米でできたライスミルク、といったものもあります。しかし医師や助産師などの助言で「赤ちゃんに一般的な粉ミルクを与えたほうがいい」といった場合は、それに従った方が良いでしょう。

日本にはまだビーガン専用の粉ミルクといったものはあまり流通しておらず、あったとしても、一般的な粉ミルクとは違って栄養成分が足りないケースがあります。

例えば赤ちゃんでも母乳の量が足りないと、生後9か月ぐらいから鉄欠乏のリスクがあります。多くの粉ミルクには鉄分が含まれていますが、大豆でできたミルクでは十分な鉄分が与えられないことも考えられます。自分がヴィーガンを実践しているからといって、赤ちゃんにも健康リスクを犯してまでヴィーガンスタイルを押し通すのは危険です。

ヴィーガンでも母乳には十分栄養がある 医師と相談しながら子育てを

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母親がビーガンであっても、子育てに基本的な問題はありません。母乳にもしっかりと栄養は含まれています。

ただ紹介している通り、ヴィーガンで授乳中の女性は、欠乏しやすい栄養もあります。良質な母乳をあげるためにも、サプリメントなどをうまく活用し、栄養不足を防ぎましょう。また、母子ともに定期的に医師や助産師からアドバイスをもらい、食生活も含めて無理をしない子育てをすることが大切です。

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