砂糖なしでも甘くておいしい!マクロビスイーツで使う6つの甘味料
マクロビオティックでは、さとうきびから作られる砂糖類は使いません。時々レシピの中に黒砂糖や三温糖を使っているものがありますが、本当はそれも良くありません。
しかし、だからスイーツは作れない、ということではありません。砂糖の代わりの甘味料を使えば、スイーツを作ることも可能なのです。
なぜ砂糖が良くないのか、どうやってスイーツを作るのかご紹介しましょう。
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マクロビオティックで砂糖が良くないといわれる理由
マクロビオティックでは、さとうきびから作られた甘味料の「白砂糖」「黒砂糖」「三温糖」「きび砂糖」「グラニュー糖」「白ザラ糖」「氷砂糖」などは使いません。それにはいくつかの理由があります。
極陰性で身体を冷やす力が強い
さとうきびは元々ニューギニアやインド、ブラジル、東南アジアなど南国が発祥です。マクロビオティックでは南国で栽培されたものは身体を冷やす力が強いと考えられており、特にさとうきびから作られる砂糖はその働きが非常に強い極陰性です。
そのため、特に女性が摂取すると冷え性や貧血、生理不順などを起こしやすいのです。
糖反射で胃の動きが止まる
最近、東京大学が砂糖を摂取すると胃の働きが止まるという実証試験結果を発表しました。それによると角砂糖の1/4~1/5、つまり1g程度で数十秒間完全に胃腸の働きが停止したということです。これを「糖反射」と呼び、実際に食料に含まれている量を考えると、1時間以上動かなくなってしまう可能性があるのです。
糖反射を起こすと血液がドロドロになりやすく、老廃物の蓄積によって様々な疾病の原因となります。
体内で糖化が起こりやすくなる
糖化とは、余分な糖分とタンパク質が結合してAGEsという物質を作ることをいいます。
AGEsはタンパク質を変性させるため、タンパク質を主成分とする細胞の機能を低下させて新陳代謝できなくしてしまいます。すると全身の老化がどんどん進み、糖尿病や腎不全、アルツハイマー型などを引き起こす原因になるといわれています。
さとうきびから作られた砂糖はこの力が特に強く、砂糖にわずかに含まれている成分であるブドウ糖に比べ、10倍以上といわれています。
栄養素がほとんど含まれていない
マクロビオティックでは、栄養のないものを摂取しません。白砂糖の場合、炭水化物の他はナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウムがほんのわずか含まれているだけです。
様々な病気の原因となる
砂糖の大量摂取が問題となっているアメリカでは、早くから砂糖に関する研究が盛んでした。現在、砂糖の摂り過ぎによって以下の疾病の原因となることがわかっています。
・虚血性心疾患
・脂肪肝、肝硬変
・高血圧
・糖尿病
・痛風
・乳ガン、子宮内膜ガン、大腸ガンなど
・アルツハイマー型認知症
・ADHD
・虫歯
・砂糖中毒
など
マクロビオティックでスイーツを作る時に使う甘味料
ではマクロビオティックでスイーツはないのかといえば、もちろんそんなことはありません。
どんな甘味料を使うのか、見ていきましょう。
初期はほとんど甘味料なし!
マクロビオティックは、初期には「玄米正食」と呼ばれ、創始者の桜沢如一氏が理論を、奥様のリマ氏がそれにのっとった料理を考案していました。
その当時のレシピを見ると…。
串だんご
<材料>
・玄餅粉
・黒ゴマ
・かぼちゃ
・きな粉
そばまんじゅう
<材料>
・そば粉
・地粉(国産小麦粉)
・塩
・油
・小豆
・栗
タルトポンム(リンゴのタルト)
<材料>
・完全粉(全粒粉)
・リンゴ
・葛
・塩
・油
・シナモン
甘みを出すのはかぼちゃや栗、りんごに、ほのかな甘みのある小豆や葛程度です。当時、玄米正食は病気治療という面が強く、塩を効かせた料理が多かったため、このようなものでも甘さを感じることができたのでしょう。
しかし現在のマクロビオティックでは、何種類もの甘味料を使用しており、砂糖より自然で穏やかな甘みを楽しむことができます。
玄米甘酒
玄米に麹を混ぜて作ったもので、ブドウ糖の他アミノ酸やビタミンB群、善玉菌のエサとなるオリゴ糖が含まれており、しかも砂糖に比べると低カロリーです。抗酸化作用もあるため、アンチエイジング効果も期待できます。また、ブドウ糖は脳の栄養源なので、脳の活性化にも良いとされています。
甘みは麹の量によって違いますが、甘いものは砂糖以上です。玄米甘酒に季節の果物を入れてミキサーにかけると、甘いシェイクが簡単にできます。
玄米水飴
玄米を麦芽で糖化させて作ったものが、玄米水飴です。糖度は80~82度程度で、白砂糖の97.69度に比べると甘さは控えめですが、コクがあります。
パンに塗ってジャム代わりに、あるいはパンケーキのシロップとして美味しくいただけます。
また、玄米の栄養素がたっぷり入っているので、栄養価も高いです。
てんさい糖
主に北海道で栽培されている、てんさい(サトウダイコン)の根の汁を煮詰めて作る甘味料です。寒い地方で摂れるものなので、陰性度が弱いのが特徴です。また、白砂糖などと比べるとミネラルやオリゴ糖が多く、栄養価が高くなっています。甘みは白砂糖とほぼ同等なので、スイーツ作りに最も使いやすいといえます。
メープルシロップ
主にカナダで作られる、サトウカエデの樹液を濃縮したものです。糖度や色によってランクがあり、No.1ランクのものは糖分が66%以上と定められています。甘みは穏やかで砂糖代わりにするには量が必要というデメリットがあるものの、亜鉛を始めとするミネラルやビタミンB群を含んでいます。
リンゴジュース
リンゴジュースを煮詰めて使うこともあります。リンゴは主に東北地方で採れるため、陰性度があまり強くありません。ジュースを好みの甘さになるまで煮詰め、ケーキを作る時に入れたり、ジャムにしたりします。
アガベシロップ
リュウゼツラン科のアガベという木の樹液を濃縮したもので、メキシコや南アフリカが主な産地です。陰性が強めなこと、中性脂肪を増やす可能性が高いことなどであまり使うことはありません。しかし白砂糖の1.5倍程度の甘みがあり、キャラメル風味があることから、ハレの日用のケーキ作りなどには良いでしょう。
この他、干しぶどうやさつまいもを使うこともあります。
なお、デーツも非常に甘みの強いドライフルーツですが、アラブ諸国やアフリカなど日本と離れた地のものであり、また干しぶどうに比べるとサイズが大きいことからも、陰性度が強めです。そのため、マクロビオティックで使うことはあまりありません。
まとめ
このように、さとうきびから作られた砂糖類を使わなくても、充分満足できるスイーツは作れます。
とはいうものの、すべての甘味料は陰性に傾いているので、毎日たっぷり食べても良いということではありません。週に1~2回少し食べる程度にしましょう。