~小麦粉の種類と体への影響~
世界三大穀物の一つである小麦粉。私たちが口にする多くのものに含まれている小麦粉は、様々な種類に分類され、特徴により、適した料理や口当たりも変わってきます。
小麦粉の世界を少し覗いてみましょう。
小麦粉の原料となる小麦には、含まれているタンパク質の量や質などによって異なり、用途別には、大きく四つに分類されています。
小麦の分類
硬質小麦
タンパク質が多く、粘りや弾力性が強い為、強力粉に使われる。
中間質小麦
タンパク質含有量は中くらいであり、中力粉に使われる。
軟質小麦
タンパク質は少なく柔らかい為、薄力粉に使われる。
デュラム小麦
柔軟で弾力性の強いグルテンを豊富に含む為、スパゲティやマカロニなど、食感の強い麺類に使われる。
小麦粉は、小麦をひいて粉にしたものであり、その成分の7~8割は炭水化物でできています。その他、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルなどを含んでいますが、小麦粉に含まれるグルテンの量と質により、一般的には三つに分類されます。
小麦粉の種類
強力粉
通称“パンコムギ”とも言われている硬質小麦が原料となる。グルテンの量が最も多く、粒が荒く、パンやピザ、餃子の皮や中華麺の材料となる。
中力粉
食卓で使用する事は少ない。通称“うどん粉”と呼ばれ、中間質小麦と軟質小麦からできている。グルテンの量も性質も中くらいであり、うどんや、その他の料理の材料となる。
薄力粉
グルテンの量は少なく、柔らかくて細かく、しっとりとしているのが特徴。ケーキやお菓子、天ぷらやその他の料理に幅広く使われる。ダマができやすい為、ふるいにかけて使うと良い。
小麦粉の特徴
では、上記の表にもある小麦粉に含まれるグルテンとは、いったい何者なのでしょうか。
グルテンとは
グルテンは、小麦粉に含まれるグルテニンとグリアジンという、水に溶けない二種類のタンパク質により作られるものです。弾力はあるが伸びにくいグルテニンの性質と、弾力はないが粘りが強く伸びやすいグリアジンの性質が結びつき、水を加える事で、生地や麺などに粘りが生まれます。
小麦粉自体はもちろん植物性でありますが、このグルテンの性質を利用し、卵や塩、牛乳などを加える事で、多くの食品が作られています。そして、このグルテン含有量や性質の違い、その他の点を含め、小麦粉が分類されるのです。
グルテンの体への影響
グルテンは、健康体である場合はもちろん口にして良いタンパク質です。しかし、アレルゲンの一つとしても知られており、また、主に小腸への悪影響が指摘されている事もあり、お腹の不調を感じる場合もあります。
グルテンが原因で不調を感じる症状として、自己免疫疾患のセリアック病や、グルテンの消化不良で起こるグルテン不耐症があります。こういった場合は、グルテンフリーの食事を実践する事で改善される場合もあります。
加熱によっても小麦のアレルゲンは低下しません。一般的には、グルテン含有量の少ないものである方がアレルギー症状は軽度で済みますが、アレルギーのある方は、必ず、医師の指示のもとで摂取するなど、注意が必要です。
小麦アレルギーや腹部の不調、特別にグルテンフリーの生活を送る必要性のない場合、小麦粉は、様々な食品や料理に使われ、エネルギー源にもなり、世界中で愛されている食材の一つなのです。