ヴィーガン

魚も食べないヴィーガンは本当に健康?そのメリットやデメリットとは

ビーガンは動物性食品を一切取らない食事です。しかもゆるいベジタリアンとは違い、魚も食べることはできません。

しかし魚は肉と違い、食べることでメリットが多いともいわれています。肉の場合は肥満の原因になったり、高血圧やコレステロール値が上がったりする原因にもなるでしょう。しかし魚はよほどの量を食べない限り、肥満の原因になることは少ないです。むしろ食べることで骨粗鬆症の予防になったり、頭が良くなるといった効果もあります。

そんな魚を食べないビーガンは、果たして本当に健康に良いのでしょうか。今日はビーガンと魚の関係について見ていこうと思います。

日本人には馴染みの深い魚だが…

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ヴィーガンは基本的に魚を食べてはいけません。動物性食品を一切摂らないヴィーガンは、魚もとってはいけないことになっています。

ヴィーガンは「人間は動物を搾取することなく生きるべきだ」という考えがあり、魚の栄養がどうだというより、命を奪ってはならないといった考えが基準になっています。そのため、魚だけでなく、貝などを食べることもありません。ワカメやめかぶといった海藻は食べることができますが、基本的に生物に分類している魚介類は食べることができないのです。

しかし、ヴィーガンにもいろいろな種類があり、なかには魚を食べている人もいます。それはペスカタリアンとも呼ばれ、彼らは肉は食べないものの、魚介類は食べるといった食生活を送っています。

アレルギーが増えている要因もある

ヴィーガンのなかには、そもそも魚アレルギーがあって魚が食べられないという人もいます。魚アレルギーには様々な症状がありますが、一例として、魚の鮮度が低下するとその内部にヒスタミンが作られます。このヒスタミンが原因で、かゆみやじんましんを引き起こすことがあります。

また、魚に寄生したアニサキスが原因で、アレルギーが起きるケースもあります。アニサキスは人の体内に侵入し、ひどい腹痛を起こす要因にもなります。一度アニサキスの食中毒を起こすと、その痛みがトラウマになり、二度と魚が食べられなくなる、という人も少なくはありません。こうしたことから、食生活において全く魚を食べないという人も少なからず存在します。

魚を全く食べないとどうなるのか

日本人は古来から魚を食べ続けてきた民族であり、その栄養効果は高いことで知られています 。そのため魚を全く食べない食生活というのは、健康を害するイメージがあるでしょう。

ただ魚を全く食べないからといって、病気になったり、早死にしてしまうといった明確なデータはありません。例えば海のない内陸国であるボリビアでは、魚を食べるといった食文化があまり浸透していません。ただ、主に鶏肉を食べるボリビア人の健康状態は悪く、肥満や糖尿病なども増えています。

しかし、これは魚を食べないことが原因というより、油で揚げた鶏肉ばかりを食べる偏った食生活が原因ともいわれています。魚を食べないことが良いとはいえませんが、魚を食べないからといって病気に直結するかどうかは議論が分かれています。

ヴィーガンが魚を摂らないことのメリット

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魚は一般的には体に良い食材として有名です。それでもヴィーガンが魚を摂らないのは、生物の命を守るほかにも理由があるからです。特に海外では魚を食べることに反対する意見も多く、それには次のような意見があります。

メチル水銀汚染の心配

魚を食べない人のなかには「水銀汚染が心配で食べられない」という意見もあります。実はマグロやカジキなどの大型魚類やクジラ類には、昔から水銀汚染の問題があるとされてきました。

水銀汚染と聞くと水俣病などの公害問題がイメージされますが、魚の水銀問題に関しては自然現象であるといわれています。水銀はもともと地球に存在する物質であり、深海にいる大型魚類を中心に水銀が蓄積されてしまうのです。

魚が持つ水銀はメチル水銀と呼ばれ、人がその魚を食べることで消化管から取り込まれ、胎盤に通過するといわれています。そのため、妊娠中の母親がメチル水銀を摂取すると、胎児にも蓄積され、胎児の神経系に多大な障害をもたらリスクがあります。

そのため日本でも、妊婦に対してはマグロ類やサメ類、深海魚類といった魚は週1回以内の食事にすることが推奨されています。

海洋プラスチック汚染の懸念

最近聞くことの多い「マイクロプラスチック」の問題。これは人間が作りだしたプラスチックが海に流れだし、目に見えないほど細かくなったマイクロプラスチックが魚介類の体内に入り、これを人間が食べることで健康被害が広がるという問題です。

プラスチックが自然に分解されるのにはなんと500年もの年月が必要だそうです。すでに収集不可能になったプラスチックはどんどん海洋汚染を引き起こし、魚を食べることで、人間がより多くの化学物質を取り込んでしまうと懸念されています。

養殖魚のリスク

食べるために作られている養殖魚ならば、自然環境を破壊せず、マイクロプラスチックの懸念も少ないのではないか?という意見もあります。

しかし、養殖魚には遺伝子組み換えの食材がエサとして与えられていることが多く、人間への影響も否定できません。また、養殖場から逃げ出した養殖魚が天然魚と交配し、魚の奇形が発見されるといった「遺伝子の汚染」も問題になっています。

環境破壊を止めることにもつながる

そしてビーガンが魚を食べない最大の理由は、環境破壊を止めるためです。魚の漁獲量はどの国も年々減り続けており、このまま魚の乱獲が続いてしまうと、あと30年後には海に魚がいなくなるというデータもあります。

また底びき網漁は巨大な網を海底で引きずるため、海底のサンゴなどを傷つける要因にもなっています。こうした漁業は目的の魚に対して20倍近くもほかの生き物を取っているといわれています。人間が魚を食べるのを辞めることで、海の保護につながるという意見も多いのです。

しかし魚を食べないことはデメリットもある

こうした意見を見ると、やはり魚を食べるはやや罪悪感を感じてしまうかもしれません。

しかし魚には私たち人間が生きていく上で必要な栄養がしっかりとあります。なかでもDHAやEPAと呼ばれる多価不飽和脂肪酸は、魚ならではの栄養といえるでしょう。特に青魚には中性脂肪や悪玉コレステロールを減らす効果が高く、食べることで肥満の予防になったり、血液の循環を良くさせたりと、多くの健康効果があります。

やはり魚が体に良いというのは事実でしょう。厳格なヴィーガンをやっていないのであれば、”週末には魚を食べる”といったゆるいヴィーガンを実践するのもおススメです。

まとめ サプリメントもうまく使おう

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ヴィーガンは基本的に魚を食べることができません。魚を食べないことで、地球環境を守ったり、海洋生物の保護につながったりするでしょう。

ただ、魚ならではの栄養が取れなくなってしまうリスクもあります。そこでヴィーガンで魚を食べないことを決めているのなら、DHAやEPAを含んだオメガ3を含んだサプリメントを積極的に取り入れることも大切です。ヴィーガン専用のサプリメントは、魚ではなく、海洋由来成分のオメガ3が含まれているサプリメントがあります。こうした商品を利用し、体の栄養をうまく補給しながら、地球環境に貢献していくのもおすすめです。

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