ファスティングは高血圧の改善効果あり!断食と血圧の深い関係
日本人を悩ませる健康状態の一つに「高血圧」があります。血圧は普段から気にしていないと数値の変化に気付きにくく、気づいたときに高い数値だと、脳出血などのおそろしい症状につながることも。
そんな高血圧を改善させる方法の一つとして、近年ファスティングが注目されています。今日はファスティングと血圧の関係について見ていきましょう。
Contents
高血圧に悩む日本人、その原因とは
高齢化が進む日本では、それに伴い高血圧に悩む人も増えています。
加齢によって血圧が高くなるのは、ある程度の自然現象とも言えます。その理由は加齢によって血管の弾力性がなくなり、血流の流れが悪くなることで収縮期血圧が高くなってしまうからです。
しかし日本人の場合、加齢以外にも血圧が高くなる要因は多いです。ここからは、加齢以外の血圧が上がる理由についてみていきましょう。
過食や飲酒がおもな原因
高血圧の原因は食べ過ぎや飲酒によって引き起こされることが多いです。
食べ過ぎや過度のアルコール摂取に陥ると内臓脂肪が増えます。内臓脂肪が増えると、インスリンという糖をエネルギーに変えるホルモンの働きが弱まり、過食のたびに大量のインスリンが分泌されてしまいます。
しかしこのインスリンは塩分の排泄を妨げることが分かっています。つまりインスリンがたくさん出ると、排出するはずの塩分が体内に溜まり、 血液中の塩分濃度が上がって高血圧になってしまうのです。
高血圧は食生活に原因があることも多いので、思い当たる方は改善しなくてはなりません。
塩分の散りすぎ、ストレス
そして日本人における高血圧の原因に、塩分の摂り過ぎがあります。
和食は体に良いイメージがありますが、実は和食の多くが塩分を使って作られます。味噌汁や焼き魚、お漬物やおひたしなど。毎食このような食事をとると塩分過多になり、血液の塩分濃度が上がって高血圧になるのです。
日本高血圧学会では1日における塩分を「6g未満」に推奨していますが、実際に日本人が1日に取る塩分量は「10g」であり、大きな差があります。
そして高血圧はストレスも主な原因です。しかし生活している上でストレスは避けられないものです。せめてそれを解消できるよう、7時間以上の睡眠を心がける、お風呂にゆっくり浸かる、趣味を見つけるなど、日常でできるストレス解消法を見つけていきましょう。
遺伝的要因
高血圧で悩むおよそ半分の人は、親族からその体質を受け継いでいると言われています。高血圧は親からの遺伝を引き継ぎやすく、両親が高血圧という方は特に要注意です。
高血圧になりやすい人のメカニズムははっきりとは分かっていません。ただ体質的に塩分の影響を受けやすかったり、カルシウムを体に吸収しにくい、といったことが考えられています。親や祖父母、兄弟などに高血圧の人がいる場合は、日頃から自分の血圧に注意しましょう。
高血圧を放置するとどうなる?
高血圧は放置してはいけない状態です。仮に高血圧を放置してしまうと、血管が硬くなってさまざまな疾患を引き起こす動脈硬化になります。
動脈硬化が進行すると、心臓をはじめとした内臓にダメージが加わり、動脈瘤、動脈解離、狭心症、心筋梗塞などを起こすリスクが高まります。高血圧はサイレントキラーとも呼ばれ、長い時間をかけてじわじわと体を蝕んでいく恐ろしい状態です。
ファスティングで高血圧を改善する
高血圧を改善するには、食事療法や運動療法、投薬療法などさまざまな方法があります。
そんななかでも近年注目されているのが、断食をして内臓脂肪を減らす「ファスティング療法」です。
食べすぎを防ぐことで血圧を下げる
ファスティングは一定期間断食をすることで、高血圧の原因になる脂肪の蓄積を予防します。
高血圧は、血中コレステロールや中性脂肪などの脂質が基準値よりも高い状態であることが多いです。これは食べすぎやアルコールの摂りすぎが主な原因であり、食生活を改善しなくてはなりません。
しかし今日から急に食事内容を減らす、というのはなかなか難しいでしょう。そこで1日のうち1食をやめる、週末だけ断食をするといったファスティングを行えば、糖質の過剰摂取を防ぎ、脂質異常症を改善して血圧の上昇を防ぐこともできます。
内臓脂肪を減らすことも血圧上昇を防ぐ
ファスティングは内臓脂肪を減らす効果が高いです。
ファスティングをすると、普段酷使している胃腸が休まる事から、血流が改善します。血流がアップすると代謝が上がり、その結果脂肪を燃焼する作用が強くなって内臓脂肪型肥満の解消をサポートします。
生活習慣病の一歩手前といった肥満体型にも効果的であり、高血圧や高血糖の数値を改善することもできるでしょう。
ファスティングで高血圧予防 やり方と注意点
このように、ファスティングは高血圧を改善する効果が期待できます。ただ、断食をしたからといって急に血圧が下がるというわけでもありません。ここからは、高血圧の方がファスティングをする具体的なやり方と注意点について紹介します。
週末ファスティングなど、無理のない計画を立てる
血圧が高い方は、いきなり3日間何も食べない、といったハードなファスティングをしてはいけません。
まずはファスティングをする前に、その前の食事の量を減らすなどの対応を取り、準備食からしっかり行いましょう。土曜日の食事を抜くなら、金曜日にはおかゆやスープなどの食事を中心にし、空腹状態に体を慣らす必要があります。
また「急な断食は血圧を高める」といった意見もあります。これは、例えば急に朝食を抜いたファスティングをした場合、そのストレスから朝に血圧が上がる、というケースです。
これを防ぐためには、空腹を極限まで我慢することはせず、水分やファスティングジュース、ナッツ類や生野菜などを取り、血圧が上がるのを防ぐ必要があります。
いずれにせよいきなりハードな断食に挑戦するのではなく、短時間のファスティングで小腹対策もするといった、ゆるやかで無理のない計画を立てましょう。
降圧剤を飲んでいる人は医師に相談する
すでに血圧の数値が非常に高く、降圧剤を飲んでいるといった人は、ファスティングをして良いかかかりつけ医に相談しましょう。
ファスティングは、基本的に薬を飲み続けている人にはおすすめできません。
しかしゆるやかなファスティングを継続すると、血圧が下がる効果は大きいです。
降圧剤を飲んでいてファスティングができないという人は「12時間の空腹時間を作る」といった最も簡単なプチ断食や、食事の量を少しずつ減らすといった努力をしてみましょう。
血圧が下がるのには時間が掛かる
ファスティングは血圧を下げる効果があるものの、その効果が出るまでには時間が掛かります。
高血圧にお悩みの患者さんが医師監修のもとファスティングを実践したところ、血圧の数値が改善されるのには2ヶ月程度掛かったことが分かりました。個人差はあるものの、数値が改善するには、少なくとも1~2か月は掛かるようです。
たとえば週に1日の断食を行ったからと言って、急に血圧が下がるといったことはほぼありません。自分の体調を改善させるには、ある程度時間が掛かることを覚えておきましょう。
まとめ
ファスティングで血圧の数値が改善されることは、断食療法をしている海外からも報告されています。
ただ、血圧の上昇にはいろいろな要因があり、ファスティングをしても寝不足やストレスがかかるような生活では、あまり数値の改善は期待できないようです。
どうせファスティングをするのなら、生活全般を見直してみると良いでしょう。食生活をはじめとした自分のライフスタイルを見直すことは、高血圧の改善にも期待できます。
人気レシピランキング