オートミールはヴィーガンにピッタリ!オートミールと菜食主義の嬉しい関係
近年新しい主食として取り入れられているオートミールですが、実はヴィーガンの間では昔から大きな栄養食として食べられてきました。オートミールは栄養が豊富なうえに腹持ちがよく、菜食主義の方にとって強い味方です。今日はなぜオートミールがヴィーガンにとって良いのか、その理由やおすすめレシピなども紹介します。
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ヴィーガンは健康的だが足りない栄養もある!?
健康的な食生活として注目されているヴィーガンですが、実施するにあたってはいくつかの栄養不足も懸念されています。しかしそれらの栄養を把握しておけば、それを含む食材を意識して摂取したり、サプリメントなどで補うこともできるでしょう。
ここからは、ヴィーガンが不足しがちな栄養とその対策、そしてその栄養はオートミールに含まれているのかもチェックしていきましょう。
ビタミンB12不足の懸念
ヴィーガンを実施するにあたり、昔から言われているのがビタミン B12の不足問題です。ビタミン B12は基本的に動物性食品からでしか取れない栄養です。ビタミン B12が極端に欠乏すると、悪性貧血や、神経細胞に障害が起こるといったリスクもあります。
残念ながらオートミールにもビタミン B12は基本的に含まれていません。そのためオートミールを食べたからといってビタミン B12を補給することはできないのですが、オートミールにはビタミンB群の仲間である葉酸が豊富に含まれています。つまりオートミールを食べることで葉酸の栄養を補給し、ビタミンB12と一緒に赤血球の生産を助けるといった作用が期待できます。
ちなみにヴィーガンはビタミンB12が取れないものの、人は生まれた時点で必要量以上のビタミンB12 を持っているというデータもあります。そのためヴィーガンであっても、ビタミンB12 が欠乏するといった心配はほとんどありません。詳しくは以下の記事を御覧ください。
カルシウム、鉄分、亜鉛などの栄養不足が起こる懸念
ヴィーガンはカルシウム、鉄分、亜鉛などの栄養が不足しがちだといわれています。
例えば鉄分を見てみると、鉄にはヘム鉄と非ヘム鉄があり、ヴィーガンが摂れるのは小松菜、菜の花、ほうれん草、大豆などから取れる非ヘム鉄だけです。ヘム鉄は主に豚のレバーやカツオ、マグロなどから摂れます。これらを食べられないヴィーガンは鉄分が不足するのでは?と懸念されるのです。
しかし実際にはヴィーガンでなくてもカルシウム、鉄分、亜鉛などの栄養が不足している人が多く、ヴィーガンだから栄養が足りていない、ということはありません。オートミールにはこれらの栄養も豊富に含まれているので、ヴィーガンに限らず多くの人がオートミールを食べたほうが良いのです。
ヴィーガンこそオートミールを食べたほうが良い その理由
ヴィーガンを実践する人のなかには「とりあえず野菜だけ食べていればよい」といった間違った考えを持つ人も少なくありません。ヴィーガンは野菜だけでなく、果物や海藻類、大豆といった栄養をしっかり取ることで健康効果が現れます。
そのなかでも近年注目されているオートミールは、ヴィーガンにとっても貴重な栄養素です。ここからは、なぜオートミールがヴィーガンにとって良いのか、その理由について詳しく見ていきましょう。
オートミールには豊富なタンパク質が含まれている
オートミールには豊富なタンパク質が含まれています 。以下は白米と比べたときのそれぞれのタンパク質の含有量やカロリーを比較したものです。
総カロリー | タンパク質 | |
オートミール/30g(一食分) | 114 kcal | 4.1 g |
白ご飯/150g(一膳) | 252 kcal | 3.8 g |
オートミールは穀類ですが、一食あたりタンパク質が4.1gも含まれているのが特徴です。白米に比べると含有量が高く、そのうえカロリーは白米の半分以下なので、ダイエットにも向いています。
ヴィーガンは、大豆などを中心により多くのタンパク質を摂り、筋肉をつけてよりしなやかな体を作ることができます。穀類の中でもタンパク質の多いオートミールを活用することで、健康的な体づくりをサポートすることもできます。
カルシウム、鉄分、亜鉛もサポートできる
オートミールには、ヴィーガンに限らず現代人が不足しがちな栄養のカルシウム、鉄分、亜鉛が豊富に含まれています。以下は白米と比べたときのそれぞれのカルシウムや鉄の含有量を比較したものです。
オートミール100g | 白米100g | |
カルシウム | 47mg | 5mg |
鉄分 | 3.9mg | 0.8mg |
亜鉛 | 1.68mg | 0.9mg |
魚を食べることができないヴィーガンは、カルシウムをとるために積極的に大豆をとらなくてはなりません。それと同時に鉄分や亜鉛を摂るため、小松菜などの野菜やシード類もなるべく毎日取る必要があるでしょう。そうなるとメニューが定番化し、同じ料理で飽きてしまうということも多いです。
しかし優秀な栄養がそろっているオートミールを主食にすれば、多くの栄養を同時に摂ることができます。栄養バランスを考えた献立が面倒だというときも、オートミールがあればそれだけで食事を済ませることもできます。
水溶性と不溶性の食物繊維をバランス良く含んでいる
そしてオートミールの大きな特徴は、水溶性と不溶性の二つの食物繊維をバランスよく含んでいることです。 例えばヴィーガンがたくさん食べる野菜や果物には水溶性食物繊維しか含まれていないため、不溶性食物繊維を摂るには意識して大豆やごぼうなどの食材を取る必要があります。
しかしオートミールならこれら二つの食物繊維を同時に摂ることができます。しかも食物繊維の理想的な摂取バランスは、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維が1:2であること。オートミールの食物繊維はおおよそこのバランスが保たれているので、便秘改善や腸内環境を整える作用も高いのです。
ヴィーガンにおすすめ オートミールを使ったレシピ
オートミールは水分を含ませてご飯がわりに食べるほか、豆乳とフルーツをトッピングして朝食代わりにすることもできます。またシンプルな食べ方以外にも、オートミールをしっかり調理することでお菓子やパンなどにアレンジすることも可能です。最後に、オートミールを使ったヴィーガンおすすめのレシピを3つ紹介します。
大豆たっぷり自家製グラノーラ
こちらは、ヴィーガンには欠かせない栄養の大豆とオートミールを組み合わせた、栄養価の高いグラノーラです。市販されているグラノーラとは違い、白砂糖不使用で乳化剤といった添加物も含まれていません。タンパク質が豊富なグラノーラなので、毎日の朝食にピッタリです。
材料
- いり大豆 50g
- オートミール 40g
- 米粉 20g
- きな粉 15g
- 黒糖(粉末) 25〜35g
- 甘酒(2倍濃縮) 大さじ2
- 米油 大さじ1
- 無調整豆乳 大さじ1
- 天然塩 1つまみ
レンジでとうもろこし蒸しパン
オートミールをそのまま食べるのに飽きてしまった場合は、パンにアレンジするのもおすすめです。こちらは電子レンジでできるオートミールを使った簡単とうもろこし蒸しパンです。オートミールを使うことで食物繊維や鉄分が豊富なうえ、ホットケーキミックスと、とうもろこしの優しい甘みが楽しめます。朝食やランチに食べるのはもちろん小腹が空いた時のおやつにもぴったりです。
材料
- ホットケーキミックス(VEGAN) 100g
- とうもろこしの実 100g
- オートミール 20g
- 水 100ml +大さじ1
- オリーブオイル 大さじ
- 塩 少々
オートミールのスープ粥~かぼちゃとチンゲン菜の中華風~
オートミールは水分と出汁を加えて煮ることで美味しいお粥になります。こちらはかぼちゃとチンゲン菜を加えた中華風のスープ粥です。とてもオートミールを使った味とは思えず、お米で作ったおかゆとほとんど変わりません。味付けや材料をお好みで変えることもできるので、ぜひいろいろな味のスープ粥に挑戦してみてください。
材料
- 生姜 1かけ
- お好きなキノコ 1/2~1カップ分
- チンゲン菜 1株
- かぼちゃストック 80g
- オリーブオイル 小さじ1
- スターアニス 1〜2片
- 酒 小さじ1
- 顆粒昆布だし 小さじ1
- 塩麹 小さじ1
- コチュジャン 小さじ1/4
- オートミール 30g
- 水 2カップ
- 豆乳 1カップ
- 塩 小さじ1/4
- 醤油 小さじ1
- ごま油またはラー油 適量
オートミールはヴィーガンの心強い味方
ヴィーガンの食生活は現代社会において健康的なことが多いですが、ときにタンパク質や鉄分が不足することもあります。そんなときにオートミールがあれば不足しがちな栄養を簡単に補えるでしょう。
またオートミールは腹持ちが良いのも特徴です。少量でも満足感を与えてくれるので、ダイエット目的やお腹が空いたときに食べるのにも向いています。ヴィーガンの方もそうでない方も、ぜひ日常にオートミールを取り入れ、タンパク質をはじめとした多くの栄養を補給していきましょう。