初心者の向けのヴィーガン方法!イギリス発祥のミートフリーマンデーとは?
ヴィーガンと聞くと、なかにはネガティブなイメージを持つ人もいます。「肉はもちろん、牛乳やバターなど動物性食品は口にしてはならない」「地球環境のために実践しなくてはならない」など、ヴィーガンは「○○してはいけない」といった印象も強く、初心者にとってはややハードルが高いこともあるでしょう。
しかし、そんな厳しい考えではないのが「ミートフリーマンデー」です。ミートフリーマンデーは「月曜日だけ肉を食べるのをやめてみよう」という考えであり、普段ヴィーガンを実践していない人にも受け入れやすいスタイルです。今日はこのミートフリーマンデーについて詳しく紹介します。
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ミートフリーマンデーは「肉ナシの月曜日」
紹介している通り、ミートフリーマンデーは「月曜日だけ肉を食べるのをやめよう」とした動きです。
大きなきっかけになったのは2007年に当時のアメリカ副大統領ゴア氏が取ったノーベル平和賞です。「肉の消費量を減らせば地球温室効果ガスを効果的に減らすことができる」という主張は、世界中に大きな衝撃を与えました。
発起人はあのポール・マッカートニー
ゴア副大統領の提唱を受け動き出したのが、元ビートルズのメンバーであの有名なポール・マッカートニーです。
彼は2009年6月、イギリスロンドンで「ミート・フリーマンデー」を提唱しました。これは週に一回肉を食べない日を設けることで、地球温暖化を防止させようという運動です。世界的に知られるポールが動き出したことでミートフリーマンデーは欧米を中心に世界中に広がりました。日本も例外ではなく、現在も「ミートフリーマンデー・オールジャパン」としてこの活動は継続されています。
世界で広がるミートフリーマンデー
ミートフリーマンデーは初心者でも実践しやすいベジタリアンとして瞬く間に世界中に浸透していきました。アメリカではミシガン州知事がこの運動を支持しすると表明。そして2019年にはニューヨーク市の公立校約1200全てにおいて、毎週月曜日はベジタリアン給食が提供されるようになったのです。
またカナダのケベック州、ベルギーのケント市、ドイツのブレーメン市は週に1回「ベジデー」を制定しました。そして世界的に知られているスポーツブランドのプーマは、本社食堂において月曜日を菜食の日にしています。
日本でも都庁や内閣府が導入
実はここ日本でも、都庁や内閣府においてミートフリーマンデーが実践されています。
内閣府の場合、2017年から合同庁舎8号館の食堂でベジタリアンに対応したランチの提供が始まりました。こちらは当初、地球環境を救うといった目的ではなく、カロリー控えめの食事を求めた女性職員の要望を聞いたためです。
しかし実際に始めてみると大変好評であり、ベジタリアン向けのメニューが欲しい外国人観光客への取り組みにもなることが分かりました。
そして東京都庁では、ポール・マッカートニーの動きをきっかけに職員食堂にてミートフリーマンデーが導入されます。2019年の記者会見において小池都知事は、大豆からつくったミートの酢豚がとても美味しかったと述べています。
ちなみに都庁の食堂は一般市民も利用できます。近くに行った際は都庁の「ベジ・メニュー」を試してみてはどうでしょうか。
ミートフリーマンデーのメリット
なぜここまでミートフリーマンデーが世界中で浸透したのか。それにはミートフリーマンデーがヴィーガンを実践するにあたり、とても導入しやすかったをはじめ、さまざまな効果をもたらしたからです。ここからは、ミートフリーマンデーがもたらすメリットについて見ていきましょう。
週に1度ならハードルが低く、実践しやすい
ミートフリーマンデーは月曜日だけ肉を控える日。言い換えてみると、他の曜日は肉を食べて良い日、ということになります。つまり、すべての日において動物性食品を食べてはいけないのではなく、たった1日我慢すれば良いのです。
これにより、それまでヴィーガンは強制的な考えだと感じていた人も、ミートフリーマンデーなら参加できると思うようになりました。ミートフリーマンデーは「肉を食べるか、食べないか」といった二択ではなく、多くの人が食肉について考えるきっかけを与えてくれたのです。
週に1回でも地球環境を考えるきっかけになる
週に1回だけ肉を抜いただけでは、地球温室ガスを減らすことはできないのでは?そうした意見もあります。
しかしミートフリーマンデーを実践した人は、それをきっかけに地球環境に対して考えるようになりました。たとえ他の曜日は肉を食べても、地球のために少し省エネを意識したり、プラスチック素材を使うのをやめてみたりと、行動そのものに変化がおきたのです。月曜日に肉を食べないことがきっかけで、多くの人が地球環境について考えるようになりました。
思いがけず健康効果が上がった
そしてミートフリーマンデーを実践した人の中には、体重が減ったり、血圧が下がったりと、思いがけず嬉しい健康効果を実感した人もいます。
例えばアメリカのブルックリン自治区長のエリック・アダムスは、ミートフリーマンデーの動きをサポートしつつ、自分もヴィーガンを実践するようになりました。その結果、体重を減らし、長年悩んでいた2型糖尿病を克服することができたのです。
ミートフリーマンデーは、始めた当初は単純に月曜日には肉を食べないといった感覚の人が多いです。しかし一度始めると、自分がいかに動物性食品に頼ってきたかを知り、徐々に他の曜日も肉を控えるケースが増えます。これにより植物性食品が中心となり、結果的に健康効果をもたらすことになります。
アメリカ人が月曜日に肉を抜くとどうなる?
アメリカは言わずと知れた肉食大国です。連邦政府が推奨する1日における肉の摂取量は約142~184gですが、アメリカ人が実際に食べる肉の平均的な量はその2倍に当たる約283gといわれています。
分かりやすく、アメリカ人は1日300gの肉を摂取していると考えましょう。ミートフリーマンデーを実践して月曜日は300gの肉を控えるとします。
すると月曜日は年間約52回あるので、300×52となり、1人当たり年間15,6㎏もの肉を控えることになります。1人がミートフリーマンデーを実践してこの数なので、例えば100人のアメリカ人がミートフリーマンデーを実践すれば、年間1560㎏も肉の消費量が減るのです。
動物愛護にもつながる
ミートフリーマンデーを実践するひとのなかには、食用となっている動物の命を救うために実践している人もいます。
先ほどの例を参考に、アメリカ人100人がミートフリーマンデーを実践すれば、年間1560㎏も肉の消費量が減ります。和牛1頭から取れる食用肉はおよそ250㎏なので、単純計算すると、6頭のウシを救うことができます。ブタの場合は31匹、鶏の場合はなんと1300羽です。
今回はアメリカ人の例を参考にしましたが、日本でもミートフリーマンデーを実践することは動物愛護の観点から見ても意味があります。ペットだけでなく、多くの動物の命を救いたいと考えるのなら、ミートフリーマンデーを実践してみてはどうでしょうか。
まずは週に1回、お肉を控えよう
ミートフリーマンデーは、普段ヴィーガンを実践してない人にも取り組みやすいものです。週に一度肉を控えることが、地球環境や動物を保護することにつながります。
「絶対に毎日肉を食べてはいけない! 」といった押し付け感もないので、初めてヴィーガンを実践する人にも受け入れやすいです。ぜひ家族にも「今日は肉ではなくお豆腐を食べよう」といった声掛けをし、多くの人と一緒にミートフリーマンデーを実践していきましょう。
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