マクロビオティックって何?世界に広がる日本発祥の長寿健康法
マクロビオティック、略してマクロビ。最近、コンビニやスーパーなどで、大手製菓メーカーのマクロビ菓子を見たことのある人も少なくないでしょう。
欧米ではマクロビは広く知られており、マドンナやトム・クルーズ、故マイケル・ジャクソン、ニコール・キッドマン、クリントン元大統領など海外セレブが実践しています。
「自分でも驚くほど活力がみなぎり、精神が安定した」と大絶賛されているマクロビとは?わかりやすく解説します。
Contents
「マクロビオティック」とは
マクロビオティック、略して「マクロビ」は食餌療法(食養)の一種で、食べものから心身の健康を取り戻す方法のこと。マクロビオティック(Macrobiotique)はフランス語で、「健康・長寿で楽しく生きるための方法」のことを指します。アメリカやイギリスではマクロバイオティック(Macrobiotic)と発音しますが、同じものです。
マクロビオティックは玄米を食べる食事法?
マクロビオティックは日本で桜沢如一(さくらざわ ゆきかず)氏が提唱したものです。
初期は「玄米正食」と呼ばれており、その名の通り玄米を主体とした菜食を主とし、生活全般を見直して健康に生きる方法を指します。玄米などの穀物をメインとし、少量の旬の野菜や山草、海藻を塩、しょうゆ、味噌で調理する、というのが「玄米正食」です。
タンパク質は特に重要視されておらず、小麦のグルテンや味噌、油揚げ、豆腐などの大豆製品を少量というものでした。その後欧米で豆などの植物性タンパク質が中心のメニューが考え出され、日本にもその考えが逆輸入されて「マクロビオティック」として定着しています。
マクロビオティックの三原則
身土不二
「身土不二」とは今でいう「地産地消」で、その土地で育ったものを旬の季節に食べるのが、その土地で生まれ育った人の身体に最も良い、という考えです。
最近は農家が減り、旬のものもわからなくなってきましたが、少なくとも日本で採れないものは嗜好品としてたまに摂る程度にします。
一物全体
一つの食材を、皮や根も含めすべて使うということです。
最近ファイトケミカルという言葉がよく使われますが、これは植物の皮や根、種に多く含まれる、紫外線や外的刺激から身を守るための抗酸化成分や免疫増強成分などを指します。一物全体=食材を丸ごと食べることでファイトケミカルを取り入れる、と考えれば良いでしょう。
また、食材は一部を摂るより全体を食べたほうがバランスが良くなります。例えば根野菜の場合、上のほうは日光に当たり、下は土に埋まっているので、上下で成分が変わってきますから、できるだけ両方食べましょうということです。とはいえ、一人で一度に大根1本食べるのは不可能ですから、斜め切りにして少しでも上下両方を摂るようにします。
陰陽調和
陰陽とは元々中国で考えられた理論で、食べ物に当てはめると以下のようになります。
・陰…身体を冷やすもの、緩めるもの
・陽…身体を温めるもの、引き締めるもの
例えば、夏といえば麦茶ですが、これは麦が陰性で、身体を冷やす作用があるからです。今はカフェインレスだからということで一年中飲む人が多いのですが、マクロビの考え方では身体を必要以上に冷やすため、特に秋冬は良くないということになります。同様に、コーヒーは暑い国で摂れるものなので、強い陰性です。
動物性食品は強い陽性なので、肉とコーヒーを同時に摂ると調和が摂れるのですが、マクロビでは強い物同士で中和するのはあまり良くないという考えがあります。
マクロビは動物性食品は摂っちゃダメ?
厳格なマクロビアン(マクロビ実践者)は、一切動物性食品を摂りません。しかし、提唱者の大沢氏は「胃腸が丈夫であれば、食事を1日に1回しか摂らないなら肉を食べても問題ない」と海外の講演で話しています。
マクロビは玄米と野菜だけを食べる食事法を言うのではなく、健康で安定した精神を保つための方法です。ですから肉を食べても充分消化でき、体調が良く、ストレスが溜まらないのであれば問題ありません。
ただ、欧米人と比べて日本人は腸の長さが1.3~1.5倍といわれ、動物性食品が停滞しやすく、内部で発酵して有害物質になる、といわれています。また、日本人は古くから穀物と野菜、小魚を中心に食べていたため、肉類を消化する酵素がDNAに組み込まれていない、という説もあります。
牛乳も動物性食品の一種で、一般的に飲まれるようになったのは1950年代からです。日本人の75%が乳糖を消化するラクターゼ酵素を持っていない乳糖不耐症といわれていることからも、その説は充分考えられます。
どうも体調が良くない、生活習慣病と診断された、という方は、できるだけ動物性食品を避けることをお勧めします。
マクロビするとどんな変化が?
マクロビを実践すると、以下の健康効果が期待できます。
肉体的効果
・胃腸の調子が良くなる
・体力がつく
・熟睡でき、睡眠時間が短くなる
・冷え性が改善されて血色が良くなり、肌がきれいになる
・生活習慣病の予防・改善になる
・便秘が解消されダイエット効果がある
精神的効果
・ストレスに強くなりイライラや落ち込みがなくなる
・毎日が楽しくなる
・気力がみなぎり積極的になる
・頭が研ぎ澄まされ明晰になる
・自然と生活習慣が改善される
まずは少しずつやってみましょう
本当にこんな効果があるの?と思ったら、まずは実践!最初は玄米のレトルトなどを買って、しっかり噛んで食べてみましょう。おかずはできるだけ動物性食品を使わないもの、例えばきんぴらごぼうやひじきの煮つけ、漬物、根野菜たっぷりの味噌汁などをメインに。肉が食べたければ、大量でなければ無理に我慢することはありません。
玄米に慣れてくると、自然に肉が重くなり美味しくなくなってきます。また、玄米で便秘や下痢をしてしまったという人は、五分づきや三分づきからにしても大丈夫です。
少しずつ実践して、体調の変化を感じ取ってくださいね。
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