ヴィーガン

ヴィーガンの糖質制限は危険!?正しいやり方と制限NGのケースとは

日本では少し前に糖質制限ダイエットというものが流行りました。今でもその流れは続いており、ご飯やパンなどの糖質を抑えることにより、ダイエットをはじめとした健康効果が得られる少なくありません。

そしてヴィーガンを実践する人の中にも「糖質は制限した方が良いのか」と悩んでいる人もいます。確かにヴィーガンは肉や魚は食べられないものの、お米などの主食は食べることができ、そのせいで太ってしまう人もいるのです。

果たして ヴィーガンにおける糖質制限は実践して良いのでしょうか。またそもそも糖質制限は人の体にどのような影響を与えるのか、詳しく見ていきましょう。 

そもそも糖質制限とは

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糖質制限とは炭水化物といった糖質を避ける食事方法であり、主にダイエット目的で行われます。

糖質には大きく分けて2種類あり、まずは甘いと感じる飴やチョコレートといったお菓子の糖質があります。そしてもう一つはデンプンなど甘くない糖質です。デンプンはお米や小麦粉芋などにたくさん含まれています。

糖質と聞くと甘いイメージがありますが、実際に私たちが日常で多く摂取している糖質は、お米などの甘くない糖質が中心です。そのためダイエット目的で糖質制限をする場合は、お米や麺類といった主食を抜く人が多いです。

糖質制限さえすれば好きなものが食べられる!?

糖質制限が流行った背景には「主食さえ抜けばおかずは好きなものを食べていい」と言われていたからです。

代表的な糖質制限ダイエットの方法は、ご飯やパン、お芋などに含まれる糖質の摂取量を1日130 g以内に抑えるというもの。これさえ守れば、唐揚げやとんかつといったハイカロリーなおかずであっても、いくらでも食べてよいとされていました。これにより2000年代を中心に糖質制限ダイエットが流行りだします。

その一方危険を指摘する声もある

しかし糖質制限ダイエットを行った結果、体重は減ったものの次のような事例が多く見られました。

  • 筋力が極端に減ってしまった
  • 筋力の衰えにより骨粗しょう症も併発した
  • 認知症のリスクが高まった
  • 動脈硬化になるリスクも高まる

糖質制限は、そもそも超肥満症の人や糖尿病患者に向けて医師が指導してきた方法です。しかし、一般的な人がストイックに行ってしまうと、体には極端に糖エネルギーが不足してしまいます

体は筋肉を分解してアミノ酸に変えるため筋肉量がどんどん減り、骨ももろくなります。また脂質やタンパク質を大量に摂ることにより悪玉コレステロールがたまり、心筋梗塞や動脈硬化になるリスクが高まるのです。糖質制限ダイエットの危険性が徐々にわかってきた今では、糖質制限によって月に1 kg 以上痩せることは推奨しないという意見が多いのです。

ヴィーガンは糖質制限できるのか

Vegan on a window of one of many vegan restaurants in Krakow city center. On Thursday, September 27 in Krakow, Poland.

確実に痩せられるダイエットとして注目されてきた糖質制限ですが、あまりにもストイックに行うと身体に様々な弊害が起きることが分かっています。そんな糖質制限を、ヴィーガンは実践することができるのでしょうか。 

基本的には推奨しない

ヴィーガンの食生活で糖質制限をすることはお勧めできません。理由としては糖質制限を行うことにより体内にあるタンパク質が減ってしまうからです。

糖質を制限しているのに、なぜ体のタンパク質が減ってしまうのか、疑問に思う人もいるでしょう。しかし人はご飯やうどんといった主食の糖質を制限することにより、体は糖を補うため体内にストックされているタンパク質を消費します。人の体は筋肉だけではなく、臓器や皮膚、骨に至るまでタンパク質でできています。

そもそもヴィーガンの食生活は野菜が中心であり、タンパク質が豊富な魚や卵などを食べることができません。せっかく大豆類からタンパク質を摂っても、糖質制限を行うことにより体内のタンパク質が減ってしまっては、健康を害することになるのです。

特に中高年にはおすすめできない

そして糖質制限は中高年になればなるほどお勧めできません。特に女性の場合、40歳を過ぎたあたりから女性ホルモンであるエストロゲンが減っていきます。これにより貧血や骨粗しょう症のリスクは年々高まっていきます。骨をもろくする原因にもなる糖質制限は、特に中高年の女性には向いていません。

また人の身体は年齢を重ねるにつれ消化吸収能力が落ちていきます。つまり20代の若者に比べ、1日に摂取するたんぱく質の量は多めが望ましいのです。しかし糖質制限をしてしまうと内臓貯蔵されたたんぱく質は不足し、体はどんどん老化していきます。こうしたことから、特に40歳を過ぎたヴィーガンの方は糖質制限を行ってはいけないのです。

肥満や糖尿病に悩むケースならOK

しかしヴィーガンであっても糖質制限を行って良いケースもあります。

  • BMIが35を超えている肥満体系の人
  • 糖尿病で糖質制限を推奨されている人

このような人は医師と相談の上ヴィーガンの食事を実践しながら糖質制限を行っても良いでしょう。

ただ、ヴィーガンの食事はそれだけで糖尿病や肥満を改善できることが多いです。これらの症状を改善するためにヴィーガンをはじめたばかりなら、糖質制限をしなくても徐々に体質は改善されていくでしょう。それでも糖質制限を行いたい場合は、医師や栄養士と相談のうえ実践していきましょう。 

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白砂糖を避けているなら糖質制限できている場合も

ちなみに ヴィーガンは厳密に行っている場合、白砂糖を取ることができません。市場に売られている加糖された商品の多くは、白砂糖で作られています。つまり、白砂糖を避けていれば自然と甘いものを避けることができ、自然と糖質制限できているといえるでしょう。ヴィーガンで糖質制限をしたい場合は、まずは白砂糖を摂らないことから始めてみてはいかがでしょうか。 

少しだけ痩せたい!そんなときの糖質制限とは

An anonymous woman on the scales before her weight loss surgery. The scales stop at 19 stone, but she weighs nearly 20 stone and is severely obese....

それでも体重を少し落としたいために、ヴィーガンでも糖質制限をしたい場合もあるでしょう。あまりにもストイックな糖質制限は NG ですが、ヴィーガンならではのゆるい糖質制限のやり方もあります。

主食をおからやこんにゃくに変える

まずは糖質の大元である、ご飯や麺類といった主食を糖質のないものに変える方法があります。具体的な代替食品は 

  • こんにゃく
  • おから
  • エノキなどのキノコ類

これらの食材をご飯の代わりに主食にすれば、糖質制限になります。ただ三食毎回代替食品を食べるのではなく、夕食だけ代替にするといった工夫をしましょう。くれぐれもヴィーガンの場合はタンパク質不足に陥りやすいため、3度の食事による糖質制限はおすすめできません。

大豆やピーナツは糖質制限の強い味方

糖質制限をしたい人のなかには、常に空腹感があって「ご飯を食べすぎてしまう」ことに悩んでいるかもしれません。

糖質を過剰に取らないためには、空腹を紛らわすことが重要です。小腹が空いたら大豆類やナッツ類を食べ、良質な油とタンパク質を採るようにしましょう。フルーツの場合は糖質がありますが、煎り豆やナッツ類であれば糖質はほとんど含まれておらず、腹持ちも良いです。主食を減らすためにも、おやつを工夫して空腹対策をしましょう。

まとめ

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紹介しているようにヴィーガンの糖質制限は基本的にお勧めできません。またヴィーガンの場合は余計な脂質をとることがないため、過剰に太ることはないでしょう。そのため、特にダイエットのために糖質制限をするのは避けた方が良いです。

どうしても糖質が気になるのなら、まずは白砂糖の含まれている食品を除外することから始めましょう。それだけでも十分糖質制限の効果はあり、体重の増加を防ぐことができます。

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