~野菜の目標摂取量~
現代人の食生活では野菜不足が指摘されています。食の欧米化、生活習慣の変化により野菜を摂取する量が減っているのが原因と考えられていますが、では一日に摂取すべき野菜の量はどれくらいなのでしょうか?
野菜の目標摂取量
日本人の一日の野菜摂取目標量は350gと言われています。
グラム数だけではピンとこないかもしれませんが、両手を広げて、様々な野菜を混ぜた状態で山盛り一杯が、100g程度になります。つまり、“両手いっぱいの山盛り野菜×3.5”が、一日に食べてもらいたい野菜の量です。簡単に食べられる量でありませんよね。事実、平成30年国民栄養健康調査によると、野菜の摂取量は全国の平均で280g程度と、目標量の80%しか摂れていません。さらに、成人に関しては、250g程度と、さらに低い値になっています。
では、なぜ目標量が“350g”なのでしょうか。
糖尿病や高血圧などの生活習慣病と関連のある栄養素が、野菜に多く含まれている為、その栄養素を十分に摂るには、最低でも350g分の野菜が必要だからです。
若い世代での野菜不足は、将来、生活習慣病を発症する大きなリスクと言われています。これらの原因として考えられるのは、現代の日本人の欧米化した食生活にあります。肉類中心であり、和食に比べ、欧米食は野菜の調理法が少ない為、その分、摂取量も減少してしまいます。野菜不足による体の不調は、様々な部分に現れてくる為、人生100年時代と言われる今、将来を考え、健康でいられる食生活を意識する必要があります。
最近、どこかで目にした事があるかもしれませんが、“毎日+70gの野菜を”というのは、野菜の平均摂取量に、あと70g足りない為、不足分を足そうと推奨しているものです。70g分を野菜に置き換えると、トマトであれば、中くらいの大きさのもので半分、ホウレン草であれば、2株分程度。食べられそうな量ですね。しかし、忙しい毎日に、このたった70gをプラスする事が難しい為、野菜摂取量が不足しているのです。
野菜350g摂取を達成する為のコツ
重量のある野菜を取り入れる
ごぼうやブロッコリーなどの重量のある野菜を選ぶと、案外、達成できる数値です。しかし、野菜にはそれぞれ、異なる栄養分が入っているので、葉ものの野菜など、多種のものをバランス良く食べるのが理想です。
一日5皿を目指す
副菜である野菜料理の皿数を数えましょう。
ざっくりで良いので、サラダで一皿、ホウレン草の胡麻和えで一皿、魚料理の付け合わせで0.5皿、というように、一日の野菜料理の皿数をカウントして、一日5皿を目指しましょう。
加熱して食べやすくする
ゆでる、蒸す、炒めるなど、加熱して、量を減らして食べやすくしましょう。
1品料理で増やす
ゆでブロッコリーや、くし型切りトマトなどのパパっとおかずで、野菜料理を増やしましょう。
野菜ジュースで摂る
自家製ジュースが理想です。好きな野菜をジューサーにかけ、果物をプラスすると飲みやすくなります。自家製が難しい様であれば、市販の野菜ジュースでも構いませんので、意識して摂るように心掛けてみて下さい。
生活習慣病の恐ろしさ
生活習慣病の一つである糖尿病は、自覚症状が少ない上に、生活に支障の出る合併症を起こし、また、一度診断されると、ほとんどの人が長期に渡って治療を強いられる疾患です。食事制限が厳しい為、思うように食事を摂る事ができなくなります。糖尿病の患者さんは、野菜の適正な摂取により、病気の悪化をかなり防ぐ事ができます。
このように、野菜の力は絶大です。
身内に病気の人がいないから、自分は大丈夫。まだ若いから大丈夫。と、思っている方も多いでしょう。3人に1人は癌になるとも言われており、昔に比べ、現在の豊かな食生活により、寿命は延びていますが、病気にかかる方も大変多いのが現実です。生活習慣病は、あなたのすぐ傍まで迫ってきているかもしれません。
野菜に限らず食品の推奨量には、なぜ、その量が推奨されるのか、ちゃんとそれなりの理由があります。可能な限り正しい食生活を送り、生活習慣病をはじめ、体の不調なく、皆さんが健康な毎日を送られる事を望んでいます。
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