ファスティングはできない人もいる やっていはいけない人とその理由
ファスティングはダイエットや病気予防のために効果があります。とくに食べ物を摂りすぎてしまう現代人にとって、意識的に行う断食は体にとってさまざまなメリットをもたらしてくれるでしょう。
しかしファスティングは、健康状態によってはできないこともあります。今回は、ファスティングをやってはいけない人とはどのような人なのか、そしてファスティングをやっても成功しない理由についても考えていきましょう。
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体調によってファスティングは危険性もある
ファスティングは、病気予防やデトックスのために行う健康方法として知られています。そのため、 もとから体調が悪い人がファスティングを行うと、持病が悪化したり、疲れが出たりするリスクもあります。そのためファスティングを行う際は、今の自分の体調が安定しているか見極めてから実践するようにしましょう。
ファスティングができない人とは
体調が良くても、そもそもファスティングをしてはいけない人もいます。それは、病気を抱えた方や、妊娠中などの方です。基本的に以下に当てはまる方は、ファスティングを控えましょう。
薬を服用している人
持病があり、薬を服用している人にはファスティングをおすすめできません。
特にホルモン剤やステロイド剤、抗がん剤などの薬を飲んでいる人は、断食によるストレスで副腎の働きが弱くなり、 薬を服用したあとにショック症状が起こるリスクもあります。
また薬の多くは「食後に服用」となっており、空腹の状態で薬を飲むと、胃の粘膜が荒らされたり、薬が吸収されなかったりします。
専門家が指導している断食でも、薬を服用している人には 断食を断るケースも多いです。薬を服用している人はかかりつけの医師と相談の上行うか、断食ではなく食べる量を減らすことから始めてみましょう。
胃腸が弱い人
ファスティングは胃腸が弱い人には向いていません。以下の症状に当てはまる人はファスティングを控えた方が良いでしょう。
- いつも少食でお腹いっぱい食べられない
- 胃薬や消化剤をよく飲む
- カフェインや少量の刺激物でも下痢をしてしまう
- 冷たいものを食べるとすぐお腹を下す
- ゲップが出やすい
- よくお腹がゴロゴロ鳴る
断食をすると胃腸の壁が痩せ、出血をしやすくなります。そのため、もとから胃腸が弱い人は断食をすることにより出血リスクが高まり、ますます胃腸が弱くなるケースも。
また普段はお腹が丈夫という人でも、腹痛があったり胃腸の調子が悪い時は、ファスティングを控えましょう。
消化器系の病気を患っている人
胃腸が弱い人と同じように、胃がんや大腸がんなど、消化器系の病気を患っている人もファスティングは厳禁です。
また胃潰瘍や十二指腸潰瘍、潰瘍性大腸炎など胃腸に病気がある人も断食をするのは危険です。こちらも空腹時間が続くことで胃腸から出血するリスクがあるので、断食はやめましょう。
妊娠中の人
妊娠中の人もファスティングは控えましょう。
ただ妊娠中に食べ過ぎてしまい、体重の増加を抑えるためファスティングを実践したいという人もいます。
しかし断食をすると胎児に継続した栄養を与えることができないので、ファスティングは禁止です。体重増加でお悩みの妊婦さんは病院へ相談のうえ、正しい食事指導を受けましょう。健康で元気な赤ちゃんを産むためにも、断食はいけません。
生理中の人
女性の場合、生理中のファスティングは控えた方が良いです。
出血のある時に断食をしてしまうと、身体の栄養が足りなくなり、貧血を起こしやすくなります。
また生理直前にファスティングをすると、その後の生理が重くなったり、生理中の断食によって出血量が多くなったりすることもあります。
生理中は体トラブルも起きやすいため、その時期は避けてファスティングをしたほうが良いでしょう。
子供や高齢者
ファスティングは10代以下の子供や、七十歳以上の高齢者にはおすすめしません。
最近では子供の肥満も問題になっており「娘が太っているので断食をさせたい」という親もいるようです。
しかし東洋医学では25歳までを成長期と考え、若いうちは適度な栄養を取って細胞をターンオーバーさせることが重要視されています。とくに10代のまだ身長が伸びる時期においては、断食よりも食事の内容を改善し、肥満を防いだほうが健康的です。断食は20歳を目安とし、10代のうちは控えたほうが良いでしょう。
また七十歳以上の高齢者になると、体に栄養を吸収しにくくなるため、やはり断食は控えたほうが良いでしょう。
ファスティングがうまくできない理由と対策
ファスティングをやっても効果がイマイチと感じる方も少なくありません 。
体重が減らずむしろ太った、肌ツヤが悪くなった、体調が悪化したなど。残念ながらファスティングを実行した結果、そのような変化を迎えてしまう人もいるのです。
ここからは、なぜファスティングが成功しないのか、その理由と対策について紹介します。
リバウンドしてしまう
ファスティングの失敗で最も多いのが体重のリバウンドです。断食したことにより一時的に体重は減ったものの、普通の食事に戻したとたん体重が激増してしまうケースです。
これはファスティング後の回復食に問題があります。
断食をした体は飢餓状態に陥り、栄養の吸収率が非常にアップしています。そのためファスティングをやめた後に普通の食事を取ってしまうと、摂取した栄養が体脂肪に変換しやすくなり、体重が増加してしまうのです。
痩せる目的でファスティングを行うなら、断食後の回復食に気を付ける必要があります。回復食は1食だけでなく、その後の食事においても胃腸にやさしくローカロリーなものを選びましょう。
肌荒れが起きる
ファスティング後に、髪や肌のツヤがなくなってガサガサになってしまう人もいます。
それはファスティング中、体に必要な栄養を取っていないためです。
断食中は、もちろん固形物を食べてはいけません。しかし酵素ドリンクやナッツ、フルーツなどを適度に摂り、体に必要なビタミンやミネラルを摂取することは大切です。
ファスティングを行う人の中には、体重を落としたいがため、とりあえず水だけを摂取して絶食してしまう人もいます。しかしいきなり絶食すると栄養不足を引き落とし、肌ツヤが悪くなるほか、低血糖など体調を崩す原因にもなります。断食中でも体に必要な栄養は重要なので、酵素ドリンクやみそ汁などで補っていきましょう。
低血糖などの体調不良
ファスティングを行った後、低血糖の症状が強く出る人もいます。具体的にはふらつきやめまい、眠気や頭痛、無気力感などです。
しかしこれらの症状の多くは断食の好転反応といえ、あまり心配することはありません。また、低血糖の症状が強く出る人は、それまでの食生活が乱れている人が多いです。時間を決めずダラダラおやつを食べていたり、炭水化物が多い食事や、お酒をたくさん飲む人のほうが、好転反応は強く出る傾向があります。
好転反応がつらい場合は少し横になるのがベストですが、それができない場合は少量の黒糖やフルーツを口にし、糖分を補って低血糖の症状を改善しましょう。
できない人は無理をしない 食事の量を減らすことから始めよう
ファスティングは健康な人なら誰でもできる食事療法です。しかし今日ご紹介したように、胃腸が弱い人や妊婦の方、高齢者や十代以下の子供といった方は、ファスティングはできません。ただファスティングができない人でも、食事の量を減らしたり、内容を工夫したりすることで体の内側から変えていくことはできます。
また、ファスティングがなかなか成功しない人は、いま一度食事の内容や正しい栄養補給ができているかを確認することが大切です。
ファスティングは体調によって時期を見送ることも大切です。自分のコンディションに合わせ、無理のない断食に挑戦していきましょう。
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