ヴィーガンが環境破壊を止める理由とは?完全主義が地球を守る
21世紀に入り地球環境は決して看過できない状態になっています。地球の温度はどんどん上昇しつづけ、それに伴い水害や自然災害が当たり前のように起こるようになりました。
日本でも温室効果ガスを2050年にはすべて排除するという声明が出されましたが、それが本当に可能になるかは、私たち1人1人の行動にかかっています。地球環境が破壊される原因は様々ありますが、私たちが普段何気なく口にしている食事が原因であることも多いのです。今日は、ヴィーガンとと地球環境の関係や、いま自分たちに何ができるかについて考えてみようと思います。
Contents
食事が環境破壊を引き起こす!?
自分たちが普段食べている食事が原因で、環境破壊につながるとしたらどう思いますか?その代表的な例として、ハンバーガーセットを食べることで地球に及ぼす環境破壊があります。
ハンバーガーセットの1例
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環境破壊の原因となるもの | 与える影響 |
牛肉入りハンバーガー | 牛肉を育てるために広大な土地が必要 森林破壊が畜産のために行われている |
フライドポテト | 大量のパーム油が使われている。インドネシアでは熱帯雨林が伐採され、パーム油の原料であるアブラヤシの畑に変わっている |
コーラのプラスチックボトル | ペットボトルは海へと行き着き、分解されるのに400年かかる。マイクロプラスチックが海洋汚染の原因に |
こうした1例は、何もハンバーガーセットだけが悪いものではありません。例えば、普段私たちは食事をしますが、食べきれなかったものは破棄するでしょう。その食品ロスを燃やすために、さらなる温室効果ガスが生まれています。普段の食事が原因で、環境破壊が進んでしまうことも多いのです。
畜産業は最も環境を破壊する
食事が与える環境汚染で、最も懸念されているのは畜産業です。地球温暖化の原因として温室効果ガスが挙げられていますが、これは車などから排出される二酸化炭素が原因です。しかし実は二酸化炭素よりも「メタンガス」の方が温室効果は高いのです。
メタンガスは石油や天然ガスから自然と排出されてしまうものが多いのですが、次いで懸念されているのが「牛のゲップ」です。世界で排出されるメタンガスの約25%は、牛のゲップだと言われています。世界の人口が増えるにつれ牛肉の消費量が増え、それに伴いさらにメタンガスの排出が増えると懸念されています。
放牧によって無くなるアマゾン
牛を飼うことは、とても広大な土地が必要になります。自然に生えている草を牛が食べ続ける場合、牛一頭につきおよそ1ヘクタール(100m×100m)の土地が必要です。これは、東京ドームのおよそ4分の1の大きさです。
実際の畜産業ではここまでの土地ではないものの、牛を育てるための広大な牧場が必要になります。特に肉の消費量世界一のアメリカでは、すでに牧草地が足りなくなり、南米のアマゾンの土地を開拓して食肉のための牧草地に変えています。アマゾンにおいて切り倒されている土地のおよそ80%は、畜産業が原因なのです。日本には関係ないように見えても、日本で安く売られている牛肉の多くはアメリカ産です。それを考えると、私たちも森林破壊に加担していると言えるのではないでしょうか。
畜産によって水が汚される
そして畜産業は水の汚染につながることも問題になっています。水質汚染の原因第1位は産業廃棄物による汚泥ですが、第2位は動物による糞尿です。これは自然界に住む動物たちが原因ではなく、私たち人間が飼育している畜産が原因です。家畜が排泄する糞尿は、全人口が排泄するものの130倍にもなるといわれています。
これら畜産物の排泄物を洗い流すために、たくさんの水が使われています。また家畜を飼うには病気予防や成長促進に使われる抗生物質が多く使われ、この化学薬品を含む水が大量に排出されています。こうして畜産業は地球環境を破壊する原因になり、反対に肉を一切食べないヴィーガンは、地球環境を救う行動としてノーベル平和賞とも深い関りがあります。
漁業の地球環境も看過できない
牛をはじめとした畜産業は、最も地球環境を破壊すると言っても良いでしょう。しかしそれと同時に近年問題になっているのが漁業における環境破壊です。魚は肉とは違い水を汚すイメージもないのですが、海の乱獲が進むにつれ、環境破壊とは密接した関係があります。
養殖でも環境は破壊される
世界的に人口が増えたうえ海の資源を守るため、世界各国では養殖業がさかんになりました。魚を人工的に増やせば、資源も守られて何も問題はないようにみえます。
しかし、養殖魚の多くは天然の魚をエサにするため、まずは小魚の乱獲が行われます。そしてエサの投与は赤潮を発生させ、海を汚し大きな環境破壊へとつながります。
結局人工的に魚を増やすことも海の資源を乱獲し、生態系を壊すことになります。このままの状態が続くと、30年後には海の資源がまったく無くなってしまうという恐ろしいデータもあるのです。
菜食主義は地球環境を守ることにつながる
畜産は、それ1頭を飼うために大量の土地を必要とし、エサになる穀物も大量に生産しなくてはなりません。そして漁業も、このまま乱獲が進めば海の資源が無くなり、赤潮などの原因になります。
私たち1人1人が肉や魚を中心の食生活を見直し、菜食を中心にすることで、森林や海の資源を守ることにもつながります。せめて週に1度は肉や魚を食べないといった日を決めることにより、限りない資源を守り、環境汚染を防ぐこともできるのです。
海や森にもやさしいヴィーガン
大豆や野菜を中心に食べるヴィーガンは、地球環境にやさしく、今後のライフスタイルの基盤になるといっても良いでしょう。2050年には地球上の人口は90億人にも達するといわれています。90億人分の肉や魚を提供する資源は、もはや地球には残ってはいません。
先進国の企業は肉や魚の「代替食品」に注目し、あらたなビジネスチャンスとして投資する企業も増えてきました。大豆でできた新しい肉は、もはや多くのレストランでも提供されています。これからは美味しい肉や魚を求めるのではなく、植物由来でできた食材に注目すべきです。
大豆なら少しの土地で多くの食料ができる
ちなみにヴィーガンの主食ともいえる大豆には、大きな可能性が含まれています。畑の肉とも言われる大豆には多くのタンパク質が含まれています。国連食糧農業機関の統計によると、1千平方メートルの土地から取れるタンパク質の量は、牛肉がおよそ2.2 kgに対し、大豆は約40 kgです。少ない土地でもたくさんの実を取ることができる大豆は、牛肉の実に20倍近くも効率良くたんぱく質を摂ることができるのです。大豆なら少しの土地でも多くの食料を得ることができるため、世界的に問題になっている飢餓を解決できる糸口になります。
まとめ
地球環境のことを考えると、今いる人すべてが、食事に対してこのままでよいのか考える必要があるでしょう。環境に悪影響を及ぼす肉や魚をいますぐ止めるべきだ、とは言いませんが、このままのペースで肉食を続けていくのは限界があります。
そしてヴィーガンを実践する以外にも、環境破壊を止めるヒントはあるでしょう。まずは食品ロスを減らしたり、プラスチックのストローをやめるといった行動により、すこしずつ何かは変わります。毎日の食事を少し意識して変え、みんなで環境破壊を食い止めていきましょう。