リバースモーゲージは「罠が多い」と言われています。持ち家を担保に融資を受けるローンですが、子供に借金が回ったり、長生きをするとリスクが上がるケースもあります。正しく融資を受ければメリットはあるものの、安易な利用は危険です。
この記事では、なぜリバースモーゲージに罠があると言われているのか、そのデメリットを避けるための方法も紹介します。ただしデメリットを避けるとその分メリットも小さくなるため、老後の資産確保であればリースバックも検討しましょう。
リバースモーゲージは罠が多い!デメリットを避けるための方法も紹介
リバースモーゲージは、家を担保にして融資を受けるローンです。老後の資金に不安がある人や、持ち家に住みながら融資を受けたいシニア世帯に人気があります。
しかしその一方で、リバースモーゲージには罠があります。まずは、リバースモーゲージの大きなデメリットについて紹介します。
最大の罠は借金だから本人か子どもによる返済が必要であること
リバースモーゲージという名は聞こえがいいですが、そのシステムを簡単にいうと借金です。住宅所有者が自宅を担保にして現金を手に入れる方法なため、本人か子どもによる返済義務があります。
リバースモーゲージの返済義務とは
項目 | 内容 |
---|---|
借入金の返済期限 | 基本的に返済期限は設定されず、住宅所有者が住んでいる間は返済不要。 |
返済の義務が発生するとき | 住宅所有者が亡くなったり、住宅を売却した際に借入金と利息を返済する必要がある。 |
相続人への影響 | 借入金や利息が残っている場合、相続人が住宅を継承する際に返済を行う必要がある。 |
借入金の額と増減 | 住宅価格の変動や利息の積み重ねにより借入金が増減するケースがある。 |
リバースモーゲージは、借入金が未返済のまま相続人に引き継がれると、多くの場合子供に返済義務が生じます。家や土地を担保に借金をするため、将来残された子供たちが負債を抱える可能性があるのです。
デメリットは他にも多い!借入金が少なかったり長生きがリスクになったりする
リバースモーゲージには子供に負債を残すのみでなく、そのほかにも多くのリスクがあります。ここからは、リバースモーゲージには罠があると言われるデメリットを一気に紹介します。
借入金額は家の評価額の50~70%が目安
リバースモーゲージで借り入れ出来る金額は、自宅の担保評価の50~70%程度です。つまり、普通に家を売却するよりも調達できる金額はかなり少ないです。
自宅の査定価格が3000万円でリバースモーゲージを利用した場合
査定価格 | 3000万円 |
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リバースモーゲージの担保評価率(50%) | 3000万円 × 50% = 1500万円 |
リバースモーゲージの担保評価率(70%) | 3000万円 × 70% = 2100万円 |
通常の家の売却による金額 | 査定価格 × 通常の売却時の割引率(例えば、90%) = 3000万円 × 90% = 2700万円 |
上記の表からわかるように、普通に売却をすれば2700万円ほど手に入るところ、リバースモーゲージを利用した場合は多く見積もっても2100万円です。50%査定の場合は実に1200万円もの差額が出るので、単に金額のみで比較すると売却の方がいいです。
長生きすると借入金を使い終わってしまう可能性もある
リバースモーゲージは、長生きすると借入金を使い終わってしまう可能性もあります。
契約期間や返済義務 | 内容 |
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リバースモーゲージ契約期間の制限 | 多くの金融機関の契約期間は終身設定だが、一部の金融機関は、リバースモーゲージ契約に契約期間の制限を設けている場合がある。 |
期限が過ぎた場合の返済義務 | 契約期間が終了した場合、存命していても残された元金と利息を一括で返済しなければならない。 |
返済能力の問題 | 一括返済が求められるため、契約者や家族の返済能力に関するリスクが発生する可能性がある。 |
限定期間内の契約期間延長や再交渉の可能性 | 一部の金融機関では、契約期間の延長や再交渉が可能な場合があり、契約の再検討を行える。 |
リバースモーゲージは住宅価格の変動や借入金の利用範囲に応じ、使える金額が限られています。その結果長期間にわたって利用すると、借入金を使い切ってしまい、その後の生活費が苦しくなる可能性もあります。リバースモーゲージを利用したために、長生きが辛くなるケースもあるのです。
金利上昇や資産価値の下落で返済が厳しくなることもある
リバースモーゲージは、金利の上昇や不動産価値の低下により、返済が難しくなるリスクがあります。返済期間中に金利が上昇すれば、当然ながら毎月の返済額が増加します。元々低かった返済額が上昇すると、生活費が圧迫されることもあるでしょう。そのため、リバースモーゲージを利用する際は、将来の金利上昇を見越して余裕を持った返済計画を立てるのが重要です。
最終的な売却額で完済しないときは子どもが借金を背負う
リバースモーゲージの返済は、契約者が亡くなったときに住宅を売却して行われます。しかし、売却額をカバーできない場合、その残債は契約者の相続人、多くの場合子供に引き継がれます。
項目 | 内容 |
---|---|
リバースモーゲージの最終的な返済 | 借入金や利息は住宅の売却によって返済される。 |
売却額が返済に不足した場合 | 売却額が借入金や利息をカバーしない場合、残った債務は相続人(子ども)が負担する。 |
相続人の責任 | リバースモーゲージ契約者の死後、もしくは住宅売却時に残債があれば、相続人が責任を負う。 |
債務の相続 | 相続人は住宅の相続と同時に、残った債務を引き継ぐことになる可能性がある。 |
リバースモーゲージ最大のデメリットは、完済できなかった場合負の遺産が子供に引き継がれてしまうことです。利用の際には、契約内容や将来の返済リスクについて慎重に考慮し、子供達にもしっかり相談する必要があります。
デメリットを避ける方法もあるがメリットも小さくなることに注意
このようにデメリットの多いリバースモーゲージですが、デメリットを避けるための方法もいくつかあります。まずは「借入金額を少なくする」のが鉄則ですが、その分手元のお金も少なくなります。ここからは、悩ましいリバースモーゲージにおけるデメリットを避ける方法について紹介します。
借入金を少なくすれば返済額は小さくなる
リバースモーゲージは、借入金の額に応じて返済額は変わります。つまり、借入金を少なくすれば、返済額も小さくなります。
例:返済期間10年間、金利3%でリバースモーゲージを利用した場合
借入金額A:1,000万円
借入金額B:500万円
項目 | 借入金額A(1,000万円) | 借入金額B(500万円) |
---|---|---|
借入金額 | 1,000万円 | 500万円 |
年間利率返済額 | 約56万円 | 約28万円 |
月間利率返済額 | 約4.7万円 | 約2.3万円 |
この表からわかるように、借入金額が少ない方が返済額も大幅に減少します。老後の生活に支障を出さないためにも、借入金額は少なめにしておくのがいいです。
子どもは相続放棄をすれば子どもに借金返済義務も無くなる
リバースモーゲージ最大のデメリットは「完済できなかった場合負の遺産が子供に引き継がれる」ことですが、このような場合「相続放棄」を選ぶことも可能です。子供が相続放棄をすれば、残った債務を子供が支払う必要はありません。
相続放棄の流れは、債権者が、裁判所に相続財産清算人の選任の申し立てを行うことで成立します。その後負債のある不動産は競売にかけられ、借入金残高に充てられる流れになります。ただし相続放棄をすると、不動産以外のその他の財産も相続できないので注意しましょう。
資産を作って返済計画を持っていれば金利上昇も対応できる
リバースモーゲージのリスクを軽減するためには、資産を作りながら返済計画を持つことが重要です。
具体的な返済計画とは
返済計画 | 内容 |
---|---|
資産を分散させる | 資産形成手段には貯蓄、投資、不動産、株式、債券などの多様な種類があり、それらを利用してリスクを分散させる。 |
返済計画の立案 | 定期的な収入や資産の成長を踏まえ、返済計画を立てること。将来の支払いに備えるために面倒でもしっかり計画性を立てる。 |
金利上昇への対応 | 将来の金利上昇に備え、最悪のパターンを想定しておく。金利がどのくらい上昇しても大丈夫なのかシミュレーションしておく |
リバースモーゲージには予期せぬ支払い増加や返済負担も起こります。そのため専門家の助言を受けながら、返済計画や資産形成の戦略を事前に立てる必要があるでしょう。
家に住み続けて資産を確保するならリースバックもあり
リースバックは、自宅を売却したあとも自宅に住み続けられるサービスです。
賃貸物件の扱いとなり、新しい所有者に毎月家賃を支払う必要はあるものの、そのまま自宅に住み続けられます。
リバースモーゲージとリースバックの違い
リバースモーゲージ | リースバック | |
---|---|---|
仕組み | 不動産を担保にして融資を受ける | 不動産を売却したあと、賃貸する |
借入 | あり | なし |
担保設定 | 必要 | 不要 |
メリット | 毎月の支払いは利息だけ所有権がうつらない | 資金用途に制限がない物件を買い戻せる場合がある |
デメリット | 資金用途が限定される 金利上昇や評価額下落などのリスクあり 負債が子供に回ることもある | 毎月家賃を支払う必要がある 所有権がうつる |
リースバックは、リバースモーゲージとは異なり、借金ではなく賃貸契約を結ぶシステムです。そのためリバースモーゲージとは違い、子供に借金を残すリスクがありません。
借金をしなくていいため返済義務がないことがメリット
リースバックはそもそも借金ではありません。不動産の売却によって資金を調達するので、負の遺産が子供に残ることもありません。
さらにリースバックで物件を売却しても、通常の売却より買い戻しがしやすいです。一般的な取引で自宅を売却すると、その物件を買い戻しをしたくても難しいです。しかしリースバックの場合は「買い戻し特約」を付けられるので、利用者が亡くなったあともその子供などが物件を買い戻せます。
賃貸になるため月々の支払いが必要になる
リースバックは、リバースモーゲージとは異なり、賃貸契約を結ぶシステムです。そのため利用者は住宅を借りる立場となり、月々の家賃払いが必要になります。
リースバックの主なポイント
賃貸料の支払いが発生する | 住宅所有者は住宅を所有しながらも、賃貸契約を通じて毎月支払いが発生する |
住宅の所有権が移転する | リースバック契約では、住宅所有者は住宅を売却する代わりに賃貸契約を結び、所有権を手放すことになる。賃貸契約の期間中は、住宅を所有しているわけではなく、賃貸人として住宅を利用する |
追加費用が掛かる | 印紙税や家賃保証料など雑費が生じる |
リースバックは、所有している不動産を不動産会社に売却し、その後もその家に住み続けながら資金を得る方法です。そのため毎月の家賃は発生しますが、リバースモーゲージに比べるとリスクは少ないです。
借金をせずに資金確保をしたいならリアルエステートのリースバック
リースバッグであればリバースモーゲージのようなリスクはない上に、借金をする必要もありません。
リアルエステートは、多くのリースバック相談を受け付けており、信頼できる相談先として注目されています。
リアルエステートでリースバックの相談をする5つのメリット
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- 利用者のニーズに合わせた最適な解決策を提供している
- 利用者の疑問や不安に対し丁寧に対応している
リースバックは、不動産の知識がない人が不安を抱えながら相談するのがほとんどです。リアルエステートであれば不動産の知識がない人にもリースバックについてわかりやすく紹介し、利用者の状況や要望に応じて最良の解決策を提案しています。
条件が難しい物件も積極的に買い取ってくれる
リアルエステートは、条件の厳しい不動産でも積極的に買い取りをしています。リアルエステートは2011年に設立され、不動産コンサルティングや土地の有効活用、相続問題に関する幅広い知識と経験があります。これまでの実績に基づき、他社で断られた不動産に対しても積極的に買い取りの検討ができるのも魅力です。
さらにリアルエステートの場合、万が一リースバックが利用できない際にも、要望に応じた最適なプランを提案しています。保有している不動産の種類や立地によってどのように資産を確保すべきか紹介しているため、不動産知識がない人でも安心です。
家の売買だけではなく相続対策や債務整理も積極サポートしてくれる
リアルエステートは不動産の売却のみでなく、相続や債務整理など、幅広い問題にも積極的に取り組んでいます。相続問題では、遺産分割や相続税など、専門家が関与して円滑な相続手続きをサポートします。また、債務整理においては、債権者との交渉や借金整理に関する専門家が状況に応じた解決策を提案し、相談者の負担を軽減します。
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