外壁塗装が必要ないとの知恵袋を信じると家の劣化が早まることがある

Yahoo!知恵袋では 外壁塗装に関する質問が寄せられており「外壁塗装せず20年以上放置している」との意見もあります。果たしてこの状態は大丈夫なのでしょうか。

 外壁塗装を行うタイミングは家によって異なり、知恵袋の意見を参考にすると家の劣化が早まるリスクがあります。やらなくていいとの意見を優先し、適切なメンテナンスを行わないと、最悪の場合家が壊れることもあるのです。

この記事では、外壁塗装を行わずに迎えた最悪のケースや、施工時期を見極める方法を紹介します。外壁の劣化が気になる人はぜひ参考にしてください。

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外壁塗装が必要ないとの知恵袋を信じると家の劣化が早まることがある

Yahoo!知恵袋に寄せられた質問には以下のようなものがあります。

私の家は築16年で外壁塗装などのメンテナンスは一切やってません、そろそろ何かやらないとまずいですかね

Yahoo!知恵袋

屋根と外壁の塗装は必要ですか？

貯金ないので暫く出来ませんが

同時期に建てた近所がやっていて焦っています

Yahoo!知恵袋

40年補修のみの住宅(塗装なし)を大多数見ています。塗装業者、リフォーム会社は、美観のみって良いのに、余計なこといいます。こんなのは、詐欺ではありませんか？

Yahoo!知恵袋

こうした意見を見て安心している人はいませんか？「我が家はまだ10年程度しか経っていないから、外壁塗装はしなくても大丈夫」そう思った人は危険です。何もせず外壁を放置すると、想像以上のデメリットが生じます。

塗装を放置して手遅れになった家の末路

外壁の素材によっては、20年以上塗装をしなくてもいいケースもあります。しかし、全くメンテナンスが不要な家はありません。面倒だから、お金がないからといって外壁に全くメンテナンスをしないと、以下のようなデメリットが生じます。

塗装だけではなく外壁自体が劣化する

外壁塗装を長年しないと、外壁に次のような症状が起きます。

色褪せとツヤが喪失される

外壁塗装の劣化初期症状は、色褪せとツヤの喪失です。外壁は通常、約5年で色褪せが現れます。これは紫外線によって塗装が弱化するためです。放置すると塗膜の剥がれを引き起こすため、少なくとも10年以内にメンテナンスを行うのが大切です。

チョーキング、カビやコケが生じる

外壁の劣化が進むと汚れやカビ、コケが付きやすいです。10年経過すると手に粉がつく「チョーキング」が発生し、下地の保護が困難になります。チョーキングが見られる場合は迅速に対応しないと、やがてひび割れなどが生じてきます。

ひび割れ、塗膜の浮きや剥がれ

ひび割れが生じ、補修が必要になると塗膜の浮きや剥がれが起こります。塗膜の保護力が低下し防水性が失われると、雨水が浸入する可能性が高まります。

塗装は見た目の問題のみでなく、外壁の機能を維持するために必要な施工です。

劣化が進行すると雨漏りの可能性が高まる

外壁塗装の劣化が進行すると、塗膜の保護力が低下し、雨水が浸入する可能性が高まります。

塗装をしないことで起きる劣化の進行	雨漏りの可能性が高まる理由
色褪せ・ツヤの喪失、汚れ・カビ・コケの発生	塗膜の保護力が低下し、雨水が浸入する可能性が高まる。
チョーキング（塗膜の粉化）	塗膜の防水性が低下し、雨水の浸入が容易になる。
ひび割れの拡大	ひび割れから雨水が浸入し、雨漏りの発生が起こる可能性がある。
塗膜の浮き・剥がれ	塗膜の隙間から雨水が侵入し、雨漏りのリスクが増加する。

劣化したままの外壁は雨漏りの可能性が高まります。雨漏りが生じると家全体がカビ臭くなり、アレルギーの発生にもつながります。外壁塗装は住む人の健康を保つためにも必要です。

家が腐食するとシロアリが繁殖しやすい環境になる

外壁塗装をせずに外壁の劣化が進行すると、家が腐食しやすくなります。その結果シロアリが繁殖しやすい環境になり、以下のような恐ろしい状況になります。

シロアリが発生するメカニズム	状況
１．外壁の腐食	外壁塗装をしない場合、雨水や湿気が直接外壁に浸透し、木材や建築材料を腐食させる。特に、劣化した下地やひび割れがあると、水が侵入しやすい。
2．木材が腐食し、シロアリが住みつく	腐食が進むと、木材は柔らかくなり、シロアリにとって餌となる。腐食した木材や湿った環境は、シロアリの繁殖にとって理想的な条件となる。
３．シロアリが繁殖する	腐食した木材があれば、巣作りの材料となる。シロアリは大量の個体数を持ち、迅速に繁殖するため、被害も急速に広がる

このように、外壁塗装をせずに外壁が腐食すると、シロアリにとって好都合な繁殖環境が整います。定期的な外壁塗装や劣化の早期修復は、シロアリの被害を防ぐための重要な対策です。

建築材がだめになると最悪の場合は建て直し

外壁の劣化が進行すると、建築材は劣化します。特にシロアリが家の土台部分に侵入すると、家の構造が脆弱になり、安定性が低下します。これにより、地震時に家が倒れる危険性が増します。

家がこのような状態になると、最悪の場合は建て直しが必要です。住居を建て直す場合、平均で2,000万円以上の費用がかかります。実際、塗装のみで済む場合は工事費用150万円程度ですが、立て直しとなるとその費用は10倍以上に増えてしまうのです。

外壁塗装が必要ない家はレンガやタイル素材の家のみ

基本的に外壁には塗装が必要ですが、レンガやタイル素材の場合は塗装の必要はありません。

外壁の種類	特徴
レンガ	紫外線や雨水に耐性があり、素材として30年以上持つ。汚れは付くが、高圧洗浄などのメンテナンスで問題ない。ひび割れや剥がれが起きた場合はセメントやシーリングで補修する。
タイル	セラミック素材を焼き固めたもので、レンガと同様に紫外線や雨水に耐性がある。30年以上持つ素材で、汚れやひび割れが起きた場合は補修が必要だが、基本的に塗装は不要。

レンガやタイルの外壁は塗装の必要性がありません。紫外線や雨水に対して耐性があり、数年おきのメンテナンスで機能性を維持できます。

一部のサイディングも塗装は不要

そして、外壁のサイディングによっても塗装が不要なケースがあります。

外壁の種類	特徴	外壁塗装のコスト
金属サイディング	金属板と断熱効果のある裏打材によって構成された外壁材。ひび割れのリスクが少ない	耐用年数が長いため外壁塗装が不要。ただし定期的なメンテナンスは必要
ＡＬＣ外壁	コンクリートの1種であり、軽く遮音性に優れている。高層ビルにも使われている	耐用年数は50年以上なため塗装の必要はほぼない。
樹脂系サイディング	プラスチックの一種である塩化ビニル素材で作られた外壁	耐水性や耐久性に優れており、塗装の必要がない

このように、サイディングの種類によっては塗装が不要なものもあります。しかし上記に紹介した3つの素材はいずれも設置費用が高く、戸建て住宅における普及率はかなり低いです。

ちなみに日本の戸建て住宅の8割が「窯業系サイディング」と「モルタル外壁」です。両者は10～15年を目安に外壁塗装の必要があります。

塗装は不要だがひびや割れなどのメンテナンスは必要

レンガやタイル、一部のサイディングに関しては、外壁塗装が不要と紹介しました。しかし、定期的なメンテナンスは必要です。

外壁塗装が不要なケースでも、次のメンテナンスは必要

これらは自身で目視チェックもできますが、3～5年おきにプロに依頼したほうがいいです。早めに劣化箇所を見つけることで、コストをかけず簡単にその場で補修できます。

外壁塗装を無駄にしないよう施工時期を見極める方法

外壁塗装は「まだやらなくてもいいのではないか」と考える人が多いです。確かにあまり早く行ってしまうと、一度に高い費用がかかるため損をするリスクもあります。

しかし、早めの外壁塗装は重要なメンテナンス方法であり、健康的な生活を守るためにも有効です。ここからは、適切な施工時期を見極める方法について紹介します。

築10～15年は塗装が必要な時期の目安

一般的に、塗装が必要なのは家を施工してから10～15年です。

築年数	塗装の必要性	特徴
10年未満	通常、塗装は不要	新築時の塗装がまだ効果的であり、塗装の必要性は低い。ただし定期的な点検とメンテナンスは行うべき。
10～15年	塗装の目安期間	外壁の劣化が進行し、塗装が必要な時期。外観の色褪せや劣化が目立ち始め、ひび割れが生じているケースもある
15年以上	塗装をしないと劣化が進行する	劣化が進行し、塗装の必要性が高まる。外観の劣化や汚れが目立ち、ひび割れが起きて保護機能が低下している可能性が高い

築10～15年は外壁塗装の必要性が高まる時期です。この時期に外壁塗装を行ったほうが、外観の色褪せや劣化を防ぎ、建物もしっかり保護できます。まずは前回の塗装から何年経っているかを目安に考えましょう。

外壁劣化の兆候を自分で探す

外壁の様子を観察し、下表のような状態が現れていたら、外壁塗装を検討しましょう。

状況	具体的な症状
色落ち、色褪せ	昔に比べ、明らかに外壁の色がくすんでいる。汚れている
チョーキングの発生	外壁を手で触ると、粉状のものが付着する状態
カビやコケ、藻が発生している	とくに白い外壁に目立つ症状。見た目が悪いのみでなく、臭いや床が滑りやすくなる
幅0.3mm以上のひび割れがある	0.3mm以上のひび割れは、コーキング材では対応できない。放置すると雨漏りの原因になる
油膜の剥がれ	外壁がはがれ、防水機能が衰えている状態

上記の状態を放置すると、外壁のみならず家の寿命も短くなります。特に大きなひび割れや、油膜の剥がれがある場合は早めに外壁塗装を検討しましょう。

複数業者に依頼して調査してもらう

見積もりを依頼する際は、1社のみに限らず、複数の業者に依頼しましょう。その上で、家の状態を確認し、調査してもらうことが重要です。

複数の業者が実際に調査を行い、外壁の劣化状況や補修が必要な箇所を評価することで、より正確な見積もりが得られます。また何人もの業者と実際にコミュニケーションを取ることで、信頼できるパートナーを見つけられるでしょう。

無料で手軽に複数業者の見積もりがもらえるサービスも検討しよう

外壁塗装をやると決めたら、ぜひ「相見積もりサービス」を利用してください。相見積もりは複数の業者から一度に見積もりを取得できるサービスで、以下のようなメリットがあります。

業者の比較が容易にできる

サービスを利用することで、複数の業者からスピーディーに見積もりを受け取れます。業者ごとの料金や提供されるサービスの比較が容易になり、最適な選択ができます。

複数業者の意見や提案を得られる

相見積もりを依頼すると、複数の業者からそれぞれの視点や提案を得られます。各業者が独自の技術やアイデアを持っているため、それぞれの提案を比較検討できます。

値引きや交渉の余地が生まれる

複数の業者から見積もりを受け取ることで、値引きや特典の提供など、交渉の余地が生まれます。業者同士が競い合うことで、予算内でより良い条件を得られる可能性が高まります。

また複数の業者から見積もりを受け取ることで、各業者の対応や提案内容を比較できます。信頼性や施工の品質についてもわかるので、より安心して業者を選べます。

お金がない場合は助成金診断もやってみよう

外壁塗装は、住んでいる市区町村によって助成金があります。例えば東京都には全部で62の区市町村がありますが、その約半分の29の市区町村には、助成金があります。

助成金診断のやり方は大きく2つあります。

• ネットに住んでいる市区町村名を入れ「外壁塗装の助成金・補助金制度」で検索してみる
• 市役所に外壁塗装の助成金があるか問い合わせる

助成金制度がある場合、最大で20万円の支給が受けられます。外壁塗装は決して安い施工ではないので、地域の補助制度を賢く利用していきましょう。

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