外壁塗装は10年おきに行うのが理想ですが「20年以上していない」といった家も多いです。果たして外壁塗装は20年以上やらなくても大丈夫なのでしょうか。
結論からいうと、外壁塗装を20年してないと家に何らかの問題が生じる可能性が高いです。外壁塗装の一般的な耐用年数は10~20年のため、雨漏りやシロアリが発生するリスクもあります。
この記事では、外壁塗装を20年やらないとどうなるかを解説します。やるべきタイミングや、コストを抑える方法なども紹介するので、外壁塗装を検討している人はぜひ参考にしてください。
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外壁塗装を20年していないと雨漏りや害虫被害の可能性が高まる
外壁塗装を20年しないと、下表のようなダメージが家に生じます。
生じるダメージ | 理由 |
---|---|
雨漏り | ひび割れが発生し、隙間から雨水が侵入してしまう |
害虫の発生 | ひび割れが発生し、隙間から虫が入る。シロアリ発生のリスクもあり |
カビやコケが生える | 外壁にカビやコケが発生し、見栄えが悪くなる。コケは悪臭が発生するケースも多い |
気密性が低下する | ひび割れから隙間ができ、風が入りこむ。気密性が下がって光熱費が高くなる |
とくに雨漏りは深刻なダメージです。いまはまだ大丈夫でも、20年も外壁塗装をしていないと外壁の目地が切れ、徐々に雨が進入して木材を腐食していきます。建築材が劣化すると、最悪の場合住宅が傾くリスクもあり、大変危険です。
外壁塗装の一般的な耐用年数は10~20年以内
昔に比べ、外壁塗装の耐用年数は増えています。しかし最新の塗料であっても耐用年数は25年程度なので、やはり20年が経過した家は塗装をすべきです。
塗料の種類 | 耐用年数の目安(年) |
---|---|
ウレタン | 8~10 |
シリコン | 10~15 |
フッ素 | 15~20 |
無機 | 20~25 |
20年も外壁塗装をしていない家は、外壁の機能が低下するのみでなく、見た目も悪く、生活にも支障が出ます。見た目の悪い家は結果的に悪徳業者を呼び込みやすく、詐欺などの被害にもつながります。
外壁塗装が剥がれると保護力や防水力が無くなる
外壁塗装が剥がれると、保護力や防水力が失われます。その理由は次の3つです。
1.亀裂や穴が生じるため
外壁塗装は、雨水や湿気が外部から浸入を防ぐ役割もあります。塗装が剥がれると、外壁に亀裂や穴が露出し、水分が侵入しやすくなるため、防水力が失われ、建物内部に水漏れやカビが発生しやすくなります。
2.太陽光など外部からのダメージを受けるため
塗装が剥がれると、太陽光、風、雨、雪、温度変化などの要因が直接外壁に作用します。建物の劣化が進行することで、保護力や防水力が無くなります。
3.機能性の低下
外壁塗装の多くは外部ダメージからの保護や防水といった機能があります。しかし経年劣化とともにその機能は弱まり、重ね塗りをしないと効果が失われます。
これらの理由から、外壁塗装が剥がれると保護力や防水力もなくなります。建物の外壁を適切に保護するためには、定期的な点検と必要な塗装の補修や更新が必要です。
雨漏りはシロアリ発生の原因の1つといわれる
外壁塗装をしないと雨漏りの原因になりますが、雨漏りを起こすとシロアリが発生する要因になります。
外壁塗装をしない ↓ 雨漏りが発生する ↓ 湿った木材を好むシロアリが発生する ↓ 放置すると家が倒壊する恐れがある |
シロアリの発生は、家の木材を食い荒らし、家を倒壊させるほど恐ろしいです。湿気がこもった柱や壁材に発生するため、外壁塗装をしてシロアリの発生を抑制することが大切です。
最悪の場合は家に住めなくなる可能性もある
20年も外壁塗装をしないと、下表のような理由で家に住めなくなるケースもあります。
住めなくなる理由 | 詳細 |
---|---|
防水効果の低下 | 外壁塗装が剥がれ、外部からの水分が侵入しやすくなる。その結果雨漏りによる建物内部の水害やカビが発生し、生活できない |
壁面劣化 | 塗装が剥がれ、壁面の劣化が進行する。その結果壁面の崩壊や痛みが激しくなり、安全性が低下して住めなくなる |
断熱性、耐久性の低下 | 外壁塗装は断熱効果や建物の耐久性を保つ役割がある。しかし剥がれることで室内の温度管理が困難になり、自然災害などの要因もあって住めなくなる |
外壁のメンテナンスをしないと、建物の構造や居住環境に重大な影響を及ぼす可能性があります。「高いから」「面倒だから」といって外壁塗装をしないと、結果的にその家に住めなくなるケースもあるのです。
外壁塗装の塗り替えが必要かは塗料と劣化症状で判断する
一般的に、外壁塗装を行う時期は10年おきが推奨されています。しかし予算の都合や、家の状態で10年おきにはできないこともあるでしょう。
いつ外壁塗装をすべきかは、使われている塗料と、家の劣化症状で判断します。
外壁塗装の塗料によって耐用年数が異なる
外壁塗装をいつ行うべきかは、使われている塗料によっても異なります。下表は、日本で使われている塗料の種類と、おおよその耐用年数です。
塗料の種類 | 特徴 | 耐用年数 |
---|---|---|
ウレタン塗料 | コンクリートやモルタルなどに最適。コスパに優れる | 8~10年 |
シリコン塗料 | 雨や泥、ホコリや車の排気ガスなどの汚れに強い。 | 10~15年 |
フッ素塗料 | 耐候性、耐溶剤性、耐熱性、撥水性などに優れている。フライパンなどにも活用されている | 15~20年 |
無機塗料 | 親水性に優れ、汚れが付きにくい。超高耐久の塗料 | 20~25年 |
耐用年数の高い塗料ほど、コストパフォーマンスも高いです。しかし10年おきに塗装が必要なウレタン塗料であれば、最初から20年品質が保持される無機塗料などを選んでもいいでしょう。まずは家の塗料が何を使われているのか、塗装をした際の保証書などで確認しましょう。
初期の劣化症状は色落ちや塗料が粉のようになる現象
外壁の状態が、下表のような症状が起きている場合は劣化の初期状態です。
状況 | 具体的な内容 |
---|---|
色落ち、色褪せ | 昔に比べ、明らかに外壁の色がくすんでいる。汚れている |
チョーキングの発生 | 外壁を手で触ると、粉状のものが付着する状態 |
小さなひび割れ | 細かいひび割れはコーキング材で対応できるが、そろそろ外壁塗装をすべきサイン |
外壁の色あせや色落ち、チョーキングの発生は、経年劣化とともに表れる状況です。緊急性を要するものではないものの、そろそろ塗装をすべきサインです。早めの塗装は家の見た目を美しくするのみでなく、防水性や気密性を高めることから生活の質も上げてくれます。
劣化が進行するとカビや藻がついたりひびや塗装が剥がれる
外壁の状態が、下表のような症状が起きている場合は「劣化が進行している」状態です。
状況 | 具体的な内容 |
---|---|
カビやコケ、藻が発生している | とくに白い外壁に目立つ症状。見た目が悪いのみでなく、臭いや床が滑りやすくなる |
幅0.3mm以上のひび割れ | 0.3mm以上のひび割れは、コーキング材では対応できない。放置すると雨漏りの原因になる |
油膜の剥がれ | 外壁がはがれ、防水機能が衰えている状態 |
サビの発生、外壁の欠け | 塗装をせず20年ほど経過した家に多い。張替えが必要になるケースも |
上記の状態を放置すると、家の寿命が短くなります。「支障もないし雨漏りも発生してないから大丈夫だ」といってそのまま放置すると、大規模な修繕費用が掛かるうえ、家そのものの倒壊をまねくケースもあるのです。
お金がない人も自治体の助成金で塗り替えできる可能性がある
外壁塗装は、住んでいる地域により助成金が出ます。全国の3分の1における市区町村では、最大で20万円の支給が受けられます。
現在住んでいる地域で助成金が出るかどうかは「各市町村の外壁塗装の助成金・補助金制度」で検索してみましょう。
例:東京都世田谷区の助成金を調べて利用する場合
- 東京都世田谷区の外壁塗装の助成金・補助金制度で検索
- 「世田谷区エコ住宅補助金」という、屋根・外壁塗装工事が補助金対象になる制度あり
- 制度の概要を確認、必要な書類を準備
- 塗装業者に見積もりを依頼したうえで、補助金の申請を行う
助成金を使った外壁塗装の流れは、住んでいる自治体によっても変わるので、必ず市区町村のHPも確認しましょう。より詳しく知りたい人は、住んでいる地域の市役所に電話をして確認する方法もあります。
雨漏りやシロアリが心配な人は無料の点検を検討しよう
外壁塗装は10年おきに行うのが理想であり、20年以上していない家は不安です。使われている塗料によっては20年以上経過してもいい場合もありますが、一般的には20年も放置すると雨漏りやシロアリのリスクが出てきます。雨漏りやシロアリは、被害が出てから対応するのでは遅いのです。
そろそろ外壁の塗装を考えるべきか、シロアリは発生していないか、そうした不安がある人はぜひ一度専門業者に相談しましょう。
プロの診断は目視のみでなく、壁の状況を精査に調べたうえ、いつ外壁塗装を行うべきか的確に判断してくれます。快適な住まいを続けるためにも、一度は外壁の調査を行いましょう。
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