リバース60はデメリットが多い金融商品です。金利の上昇リスク、資産価値の下落リスク、長生きリスクの3大リスクがあり、のちのち借金の返済が厳しくなる場合があります。しかも残された子供が借金を抱えてしまうケースもあり、親族との関係がギクシャクするようなトラブルも多いです。
この記事では、リバース60におけるデメリットや返済リスクを紹介します。借金とは異なる「リースバック」という方法も紹介するので、資金繰りなどに悩む人はぜひ参考にしてください。
リバース60はデメリットが多いため契約は慎重に!
リバース60はデメリットが多いシステムです。
そもそもリバース60とは、60歳以上の人を対象としたリバースモーゲージ型住宅ローンです。このサービスは、自宅を担保にして最大60%まで借り入れが可能であり、得た資金は住まいのリフォームや建て替えに利用できます。通常の住宅金融サービスでは難しい60歳以上の人が利用できるサービスとあって、利用者は増えています。
しかしリバース60は「死ぬまで返済し続けなくてはならない」「融資額が通常のローンよりも少ない」といったデメリットがあります。ここからは、リバース60の主な4つのデメリットについて紹介します。
元本が減らず利息だけを死ぬまで返済
リバース60は、月々の返済負担は少ないものの、元金が減らない特徴があります。
リバース60は元金を積み立てることなく返済が継続されるため、積極的に繰り上げ返済をしない限り、返済期間は生涯続きます。そのためリバース60は「死ぬまで借金を返し続けなくてはならない」とも言われています。
リバース60の特徴
特徴 | 解説 |
---|---|
月々の返済負担は少ない | リバース60は、毎月の返済額が金利支払いのみなので毎月の返済額は少ない。通常の住宅ローンよりも月々の負担が軽減される。 |
元金が減らない | リバース60では元金の返済がないため、元金が減少することはない。支払う金額は利息分のみで、元本は維持されたまま。 |
繰り上げ返済をしない限り、返済期間は生涯続く | 通常の住宅ローンでは、元金を返済していくため返済期間が短縮するが、リバース60では元金が減らないため、死亡するまで返済が継続される。 |
リバース60では繰り上げ返済を積極的に行わない限り、返済期間は生涯続きます。通常の住宅ローンと異なり、元金を支払わないため、返済が終わることはありません。
使い道が限られてしまう融資である
リバース60は使い道が限られている融資です。似たようなサービスにリバースモーゲージがありますが、そちらは投資目的など自由にお金を使えますが、リバース60では以下のような資金に使い道が決められています。
- 住宅の建築
- リフォーム工事
- 高齢者向け施設の入居費用
- 住宅ローンからの借り換え
- セカンドハウスの建設・購入
- サービス付き高齢者向け住宅の入居一時金
リバース60は住宅に関連する使途のみに利用が限られています。投資や資産運用での利用は認められておらず、金利も低めに設定されています。
配偶者が家を失う可能性がある
リバース60は、契約者の死後に残された配偶者が家を失うリスクがあります。
一部の金融機関では、配偶者がリバース60の契約を引き継ぐ仕組みもあります。しかしその契約がない場合、契約を引き継ぐか現金で残債を一括返済しないと、残された配偶者が住むことはできません。また、完済のために不動産を売却した際、高齢者の場合は年齢や収入の制限で賃貸物件の借り入れが困難になるでしょう。リバース60を利用する場合は、将来の家族の生活状況や住居問題を考慮し、万が一の事態に備えることが不可欠です。
融資額が通常のローンよりも少ない
リバース60の借入限度額は、不動産評価額の50~60%程度です。しかも上限金額は8,000万と決められています。
例:不動産の担保評価額が3,000万円の場合
住宅ローン | リバース60 | |
---|---|---|
借入可能な額 | 3000万円 | 不動産評価額の50~60%程度、つまり借入額は1,500~1,800万円のみ |
住宅ローンは与信によって返済が可能と判断されれば、不動産購入額のマックスまで借り入れができるほか、住宅ローンの手数料や登記費用などの諸費用分まで融資を受けられます。その一方、リバース60は不動産評価額の50~60%程度しか融資を受けられません。数字だけを見れば、リバース60より住宅ローンを組んだほうがお得です。
リバース60の3大リスク!金利や資産価値の変動と長生きもリスクになる
その上リバース60には3大リスクがあります。金利の影響を受けやすい上に、資産価値の変動と長生きもリスクになるのです。
リバース60の3大リスクとは
- 金利上昇で支払い金額が上がったり融資額が減る
- 資産価値の変動で家の売却や一括返済が必要になることもある
- 長生きで融資額が上限に達すると死ぬまで利息の支払いが必要
ここからは、それぞれのリスクについて詳しく見ていきましょう。
1. 金利上昇で支払い金額が上がったり融資額が減る
リバース60は金利の影響を受けやすいです。当然ながら金利が上昇すると、月々の支払い額が増えます。
基本的にリバース60は変動金利が適用されます。金利は定期的に見直されるため、将来は金利上昇リスクを負うケースが多いです。例えば変動金利が0.5%から1%に上昇した場合、一例として返済額はこれまで月30,000円だったものの、金利がアップしてからは月40,000円程度に増加します。リバース60を利用する人は年金生活を送っている人も多く、月1万円の増額が生活を圧迫することもあるでしょう。
さらに、リバース60は金利の上昇により与信にも影響が出るため、融資額が減るリスクがあります。リバース60を利用の際には余裕のある生活設計と返済計画を立てましょう。
2. 資産価値の変動で家の売却や一括返済が必要になることもある
リバース60は不動産の価値変動に大きく左右されます。そのため、評価額が大きく下落すると、融資額の削減や家の売却、さらに一括返済が必返になるケースもあります。
リバース60資産価値の変動に伴うリスク
要因 | 具体的リスク |
---|---|
融資額の変動 | 契約時の不動産評価額に応じて決まるが、その後評価が変わることも多い |
担保評価 | 不動産価値の変動によって下がるリスクがある |
融資限度額の見直し | 一定期間ごとに評価額が下落する可能性があり、融資限度額が下がる恐れがある |
不足分の返済 | 不動産価格の下落により、売却金が借入額に満たない場合、一括返済が求められるケースも。さらに相続人が不足分を返済する必要がある |
リバース60は審査が通れば簡単に契約できるサービスです。しかし契約後は一定期間ごとに担保価値が見直されます。仮に評価額が下落した場合は、融資限度額を下げられるなどのリスクがあるのも覚えておきましょう。
3. 長生きで融資額が上限に達すると死ぬまで利息の支払いが必要
リバース60は、長生きをすればするほど融資額は上限に達し、死ぬまで利息の支払いが必要になります。
長生きをすることで被るリバース60のデメリットとは?
デメリット | 内容 |
---|---|
融資額が上限に達する | 長生きをして存命中に融資限度額が達すると、その後の融資が停止し、生活に支障が出る可能性がある。しかし利息は払い続けなくてはならない。 |
契約期間が終了する | リバース60は契約者が死亡後に自宅を売却して返済するのが一般的だが、一部の金融機関は契約期間を設定している。存命中に契約期間が終了した場合、残債を一括返済しなければならないリスクがある。それができない場合は、自宅売却による返済が求められる。 |
返済に関するリスクが増える | 自宅売却後の返済に際し、残債が売却価格を上回る場合、差額の借入金残高が残り、自宅を失う可能性がある。その結果借金の返済が困難になり、高齢者にとっては負担となる。 |
本来であれば長生きは嬉しいものの、リバース60を利用したために老後の生活が苦しくなるリスクがあります。リバース60は長生きにより融資額上限達成や契約終了時の返済リスクがあるため、返済計画を慎重に立てなくてはなりません。
老後の資産確保ならリースバックも検討しよう
このように、リバース60はデメリットやリスクが大きく、健康で長生きをしたい人には推奨できる商品ではありません。
安心かつリスクの少ない商品であれば、リバース60よりもリースバックがいいです。リースバックは、自宅やアパートなどの所有している不動産を不動産会社や金融機関などに売却し、売却後は賃料を払ってその物件をそのまま利用できるサービスです。不動産の「売却」と「賃貸」を組み合わせた仕組みであり、まとまった資金調達が得られる上に、引越しの手間も省けます。
リースバックなら借金なしで家にそのまま住み続けられる
そもそもリースバックはリバース60のような借金ではありません。不動産の売却によって資金を調達するので、負の遺産が子供に残ることもありません。
リースバックの特徴
特徴 | 内容 |
目的 | 不動産の所有者が売却した後も一定期間、同じ住居を購入者に賃貸する取引 |
全体のメリット | 資金と住居を両方確保できる、借金ではないため安心 |
利用者のメリット | 現金化と住居利用の両立が可能引っ越し先を急がずに済む リースバック契約期間中の住居利用が可能 |
不動産会社にとってのメリット | 不動産を購入して収益化できる安定した家賃収入が確保できる 契約期間後に不動産を所有できる可能性がある |
契約内容 | リース期間と賃料の合意 契約終了後の住居移転や条件に関する取り決め 税金や法的規制の詳細な検討が必要 |
リースバックの場合は、今の家に住み続けられるので引越しも不要です。戸建て住宅のみでなく、マンションも対象なため幅広い人が利用できるサービスです。
毎月の支払いは利息ではなく賃料に変わる
リースバックは、売却した自宅をそのまま賃貸として利用できるシステムです。これにより、毎月の支払いはローンの利息ではなく、家賃に変わります。
通常の住宅ローンやリバースモーゲージでは毎月の返済が必要ですが、リースバックでは賃料支払いが生じるため、住宅を所有する負担が軽減されます。これにより、老後の生活費にも余裕が出るでしょう。
売却が難しい家ならリアルエステートのリースバック
リアルエステートでは、住宅の売却後も住み続けられるリースバックサービスに強みのある会社です。これまでほかの不動産で売却を断られたケースでも、リアルエステートであれば対応できる場合が多いです。
リアルエステートはこれまでの実績と経験を活かし、ほかの不動産業者が手をつけられないほど状態の悪い物件でも、直接の買取が可能です。例えば、老朽化が進んでいたり、リノベーションが必要な物件、法的な問題を抱えた物件や周囲の状況が複雑な物件でも、リアルエステートであれば買取のサポートをしています。「こんな家じゃ売れない…」「他者でリースバックを断られた」といった場合も、ぜひ一度リアルエステートに相談してみましょう。
家の売却だけではなく債務整理や相続も専門家がサポート
リアルエステートは不動産の売却だけでなく、相続対策や債務整理にも取り組んでいます。例えば相続問題では、遺産分割や相続税の問題に専門家が対処し、円滑な相続手続きをサポートしています。また債務整理においても、債権者との交渉や借金整理に関する専門家がサポートし、状況に合わせた解決策を提案して、相談者の負担を軽減します。
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- 契約不適合責任を負う必要がなく、リスクなしに売却できる
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